2004 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場印加プロセスによる金属・酸化物の組織制御と新機能性材料の創製
Project/Area Number |
15085206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
福田 隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50228912)
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20346183)
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Keywords | 結晶磁気異法性 / 磁気エネルギー / 双晶変形 / 強磁性 / 反磁性 / 微小重力 / 変形 / 無機酸化物 |
Research Abstract |
一部の強磁性形状記憶合金は、磁場印加により双晶変形し、巨大磁場誘起歪を示す。このような特異な性質を示す合金としては、Fe-31.2Pd、Ni_2MnGa,Fe_3Ptが挙げられる。本研究ではFe-31.2Pd合金ならびにNi_2MnGaのマルテンサイト変態温度以下の広い範囲において、結晶磁気異方性定数と双晶変形応を求めることにより、磁場による双晶変形を定量的に説明することを目的のひとつとした。 Fe-31.2PdならびにNi_2MnGaのマルテンサイト相は正方晶であり、その一軸異方性定数|Ku|は、c軸ならびにa軸の磁化曲線の囲む面積として求めることができる。この|Ku|を正確にもとめるためには、双晶変形を阻止し単結状態において磁化曲線を求める必要がある。今回は、応力下で磁化測定するための冶具を開発し、これを用いて、単一バリアント状態における磁化曲線の測定に成功した。得られた磁化曲線より、Fe-31.2Pd合金においてはマルテンサイト変態温度以下のいずれの温度においてもa軸が磁化容易軸であり、|Ku|の値は温度低下にともなって大きくなることが明らかとなった。また、Ni_2MnGaにおいては、変態温度以下のいずれの温度においても、c軸が磁化容易軸であり、|Ku|の値は温度低下にともなって大きくなることが明らかとなった。得られた|Ku|のと双晶剪断量より、磁気的剪断応力の最大値を評価した。この磁気的剪断応力は、温度に対してそれほど大きく変化せず、Fe-31.2Pd合金においては、約1.5MPa,Ni_2MnGaにおいては約3.4MPaとなった。一方、圧縮試験によりもとめた各温度における双晶変形応力は、温度低下にともないほぼ直線的に上昇した。磁気的剪断応力の最大値と双晶変形応力を比較したところ、いずれの温度において、前者は後者よりも十分に大きく、Fe-31.2PdならびにNi_2MnGaは磁場により双晶変形できる理由をエネルギー的な観点から定量的に説明することができた。 また、反磁性物質における微小な磁気異方性を精度良く検出するために、無重力下での異方性測定方法を確立し、その測定精度を向上させることに成功した。
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Research Products
(6 results)