2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋のマイクロレベルでの組織損傷解明と筋損傷解析モデルの構築
Project/Area Number |
15086208
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 英一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00111831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 幸治 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80335075)
山本 創太 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80293653)
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Keywords | 骨格筋 / バイオメカニクス / 力学特性 / マイクロ構造 / 力学モデル / 損傷評価 |
Research Abstract |
本研究では骨格筋のマイクロ構造の力学特性と受傷時のマイクロ構造・組織の特性を実験的に解明し,骨格筋損傷を評価,予測可能な筋損傷解析モデルの定式化を目指す. 平成16年度は,前年までの成果を受け,まず引張速度や衝撃力が筋組織損傷に及ぼす影響について検討した.ひずみ傷害発生時の引張速度の変化による損傷状態の変化を検討した結果,引張速度の減少に従い,筋収縮機能が損傷を受け等尺性収縮力が減少することがわかった.破断荷重は傷害生成時の引張速度の低下に伴い減少する傾向を示した.次に,質量の異なる3種類のインパクタを衝突させ,打撲傷を生成する実験の結果,インパクタの衝突エネルギが大きいほど等尺性収縮力と破断荷重が減少することがわかった. 次に,筋のマイクロ構造とその損傷を考慮した構成式モデルの定式化を行った.Blemkerモデルを参考に収縮要素と受動的構造要素から構成される骨格筋構成式を構築した.さらに収縮要素と受動的構造要素の損傷を表現する損傷変数を導入し,その損傷発展式を定式化した.筋線維方向への単軸引張の場合について材料定数を同定し,構成式モデルの基本的な特性を検討した.今後,この構成式モデルを有限要素解析に組込み,マイクロ損傷を考慮した骨格筋傷害予測シミュレーションを行う. さらにモデルの精度を向上させるため,骨格筋マイクロ構造要素の力学特性評価が可能な実験システムを構築した.開発した試験システムは超微小荷重/超微小変位分解能を有し,筋束,筋内膜,筋線維,神経組織等の筋を構成するマイクロ構造要素の力学試験を可能とした. 今後,筋のマイクロ構造要素の力学特性評価実験により筋組織のマイクロ損傷特性を検討し,損傷解析モデルの精密化を進める.
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Research Products
(5 results)