2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 未知雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80295477)
川田 勇三 茨城大学, 理学部, 教授 (10152969)
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 助手 (20345333)
村田 滋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)
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Keywords | スピン分極 / 分子ワイヤー / 金ナノ粒子 / 分子ワイヤーネットワーク / 走磁性細菌 / マグネタイト微結晶 / NOケージ化合物 / 負性磁気抵抗 |
Research Abstract |
I.金ナノ粒子を分子ワイヤーで連結したネットワーク状構造体における伝導電子と局在スピンの相互作用を解明し、ナノスピントロニクスの基礎を確立する研究(菅原、松下、川田) 1)安定ラジカルを置換したスピン分極型分子ワイヤーと金ナノ粒子からなるネットワークにおいて、4Kで、ネットワークを流れるトンネル電流が磁場の印加により増大する、負性磁気抵抗を示す事を見出した。有機πスピンが伝導電子と相互作用する事を示した初めての例であり、特筆に値する。 2)木村(兵庫県立大)、佃(分子研)より提供された極小径・超低分散の金ナノ粒子の磁気測定を行い、平均してナノ粒子1個あたり1個以下のスピンがある事を観察した。このような非磁性金属のナノ粒子における磁性発現の原因には興味が持たれる。 II.伝導電子と局在スピンの共存系を構築する研究(川田) 金属的伝導性が期待されるスピン分極ドナーとして、TTP骨格を有するドナーラジカルの合成に成功した。また、4個のSeを持つTSF型骨格を持つドナーラジカルの重要な前駆体であるホルミル体の合成に成功した。 III.走磁性細菌がつくるナノ磁石を利用して、磁性ナノドットアレーを作製し、その磁気的挙動を解明する研究(田中) 磁性細菌から調製した平均粒径65nmのマグネタイト微粒子のAC-SQUID、及びDC-SQUID測定を行い、膜の有無等に基づく集合形態の違いでフェリ磁性体としての挙動が変化することを見出した。 IV.生体機能解明のための新規NOケージ化合物の開発と光分解の高効率化に関する研究(村田) 光分解量子収率の高い新規NOケージ化合物の開発を目的として、N-ニトロソアニリンの光分解に対する芳香環置換基の効果を詳細に検討した。項間交差を促進する置換基、および電子移動を誘起する電子受容性置換基の導入により、NOの発生効率が向上することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)