2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50124219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 未知雄 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (80295477)
川田 勇三 茨城大学, 理学部, 教授 (10152969)
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 講師 (20345333)
村田 滋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (40192447)
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Keywords | スピン分極 / 分子ワイヤー / 金ナノ粒子 / 分子ワイヤーネットワーク / 走磁性細菌 / マグネタイト微結晶 / NOケージ化合物 / 負性磁気抵抗 |
Research Abstract |
I.磁性・導電性共存系としての金ナノ粒子・分子ワイヤーネットワークの研究(菅原、松下、川田) 1)電極間隔100nmのナノギャップ電極間に形成したスピン分極型分子ワイヤーと金ナノ粒子からなるネットワーク構造体において、均一な構造を反映した4サイト以上にわたる高次コトンネリングと、6Tで4%の負性磁気抵抗を見出した。有機スピンとトンネル電子の相互作用がさらに明確になった。 2)照井(情報通信研究機構)との共同研究で、ブレークジャンクション法で作製した間隔約7nmのナノギャップ電極をワイヤー分子で被覆されたナノ粒子1個で接続した結果、明瞭なクーロンダイヤモンド特性を見出し、ネットワーク中のナノ粒子がクーロンプロッケードとして動作することを実証した。 II.スピン分極ドナーを用いた伝導電子と局在スピンの共存系の研究(川田、菅原、松下) ドナーラジカルであるESBNのイオンラジカル塩(過塩素酸塩)が15K以下の低温で負性磁気抵抗(-5% at 11K 5T)を示すことを見出した。純粋有機物質で磁性導電性共存系を実現した初めての例であり、極めて意義深い。 III.走磁性細菌がつくるナノ磁石の磁気的挙動を解明する研究(田中、菅原、松下) 走磁性細菌が形成する平均粒径65nmのマグネタイト微粒子のチェーン状構造を櫛形電極(間隔:2Fm)上に堆積し、導電特性測定した結果、100Kで5%の負性磁気抵抗が検出された。磁化されたナノフェライト間のスピン依存トンネリングにより発現したものと考えられる。 IV.生体機能解明のための新規NOケージ化合物の開発と光分解の高効率化に関する研究(村田) 光分解量子収率の高い新規NOケージ化合物であるN-ニトロソアニリンの光分解に関して、項間交差を促進する置換基、および電子移動を誘起する電子受容性置換基の導入により、NOの発生効率が向上することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)