2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15087103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 渉 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (50292719)
岩坂 正和 千葉大学, 工学部, 助教授 (90243922)
照井 通文 情報通信機構基礎先端部門, 主任研究員 (50359098)
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Keywords | 双安定性 / 分子磁性体 / ナノ磁石 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
強い電子相関と電子-格子相互作用を持ち合わせる強相関強結合系として知られている環状チアジルラジカルについて、錯体合成ならびに物性開拓を行った。NTと呼ばれる分子についてNT_3(GaCl_4)なる3:1錯体の合成に成功し、その結晶構造解析を行ったところ、電荷の異なる4つのNT分子が2次元正方格子をつくり、それが強くπスタックした構造が見られた。これは、強相関系に特徴的な電荷秩序状態の形成を意味しており、このため室温で半導体特性を示した。この状態にパルス電場を印加して電流-電圧曲線を測定したところ、電圧増にともなう爆発的な電流増加を意味する負性抵抗現象を観測することができた。てれは、電荷秩序状態の部分融解に起因すると考えられるが、室温、低電場で現れるという新規性があり、有機エレクトロニクスへの展開を大いに期待させる。さらに電場下のEPR測定を実施したところ、電場印加とともに、線幅の増加なく吸収強度は著しく減少することが分かった。これは、結晶内に、EPRを示さない高伝導フィラメントが不均一に形成されることを支持している。 チアジアゾール環をもつポルフィラジン誘導体の薄膜作製を行ったところ、分子面が基板面と平行となる珍しい構造が得られた。この分子の強い自己集積能を反映して、電気的な還元・再酸化に対して安定で、エレクトロクロミズムとともに、電気伝導度の大幅な増加が見られた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Quasi-one-dimensional molecular magnets based on derivatives of (fluorobenzyl) pyridinium with the [M(mnt)_2] monoanion (M= Ni, Pd or Pt; mnt^<2->=maleonitriledithiolate) : Syntheses, crystal structures and magnetic pronerties2006
Author(s)
X.M.Ren, S.Nishihara, T.Akutagawa, S.Noro, T.Nakamura*, W.Fujita, K.Awaga, Z.P.Ni, J.L.Xie, Q.J.Meng, R.K.Kremer
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Journal Title
Dalton Transactions 16
Pages: 1988-1994
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