2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAプログラム自己組織化を用いたナノ粒子光磁気材料の創成
Project/Area Number |
15087203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80294130)
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Keywords | DNA / ナノ材料 / 自己組織化 / スピン / 磁性 / ナノ電極 / 遷移金属酸化物 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
分子デバイスを作製するに当たり微細加工によるナノギャップ電極は非常に重要である。強磁性、超伝導、完全スピン偏極、金属的伝導など多彩な物性を示す遷移金属酸化物薄膜に対して、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いたナノリソグラフィーにより数十ナノメートルのギャップを持つ"酸化物ナノ電極"を作製すること、さらに作製したナノ電極を用いてDNAなどの分子のスピン伝導を測定し、分子スピンデバイスのプロトタイプをデモンストレーションすることを目指している。今年度は下記の研究を行った。 (1)原子間力顕微鏡を用いた遷移金属酸化物薄膜のナノリソグラフィー 遷移金属酸化物において薄膜面内方向へのナノ加工を行った。走査型原子間力顕微鏡(AFM)を用いたリソグラフィーにより、半導体SrTiO3標準酸化物単結晶基板において最小加工幅20nm、室温超巨大磁気抵抗体(La, Ba)MnO3において最少加工幅20nm、室温強磁性(フェリ磁性)Fe3O4極薄膜において、最小48nmのナノ加工を達成した。複雑な酸化物のリソグラフィーはこれまで確立していないが、走査型原子間力顕微鏡を用いたリソグラフィーでは数十nmでの加工が可能であることを示した。 (2)DNA自己組織化を用いたナノ構造構築 自己組織化を用いたボトムアップのアプローチによるによるナノ構造・ナノデバイス作製は今後の重要な手法である。DNAとナノ粒子からなるナノ構造体の作製を行った。正に帯電した配位分子を修飾した強磁性Coナノ粒子とDNAを混ぜマイカ基板上に滴下・乾燥る事によりCoナノ粒子とDNAからなるネットワーク構造構築に成功した。また、ジチオール分子で修飾した金ナノ粒子とDNAからなる密に結合したネットワーク構造構築にも成功した。 原子レベルで制御された機能性酸化物のヘテロ構造、ナノリソグラフィー、DNA等のバイオ分子を用いた自己組織化プロセスを組み合わせることにより多様なナノ分子デバイス創成へと展開して行きたい。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] P.Li, T.Kanki, M.Hirooka, A.Takagi, T.Matsumoto, Hide.Tanaka, T.Kawai: "Relaxation of Nanopatterns on Nb-doped SrTiO3 Surface"Appl.Phys.Lett.. (in press). (2004)
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[Publications] M.Hirooka, Hide.Tanaka, R.Li, T.Kawai: "Nano-scale modification of electrical and magnetic properties on a Fe3O4 thin film by AFM lithography"Appl.Phys.Lett.. (in press). (2004)
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[Publications] R.Li, T.Kanki, H.Tohyama, J.Zhang, Hide.Tanaka, A.Takagi, T.Matsumoto, T.Kawai: "AFM lithography in perovskite manganite La0.8Ba0.2MnO3 films"Appl.Phys.Lett.. (in press). (2004)
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[Publications] T.Kanai, R.Li, Y.Naitoh, Hide.Tanaka, T.Matsumoto, T.Kawai: "Nanoscale observation of room-temperature ferromagnetism on ultrathin (La, Ba)MnO_3 films"Appl.Phys.Lett.. 83. 1184-1186 (2003)
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[Publications] Y.G.Park, T.Kanki, H.Y.Lee, Hide.Tanaka, T.Kawai: "CuPc/PbZr_<0.2>Ti_<0.8>O_3/(La, Ba)MnO_3 field effect transistor heterojunction photomemory"Solid State Electronics. 47. 2221-2224 (2003)
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[Publications] M.Taniguchi, H.Y.Lee, Hide.Tanaka, T.Kawai: "Electrical Properties of Poly(dA)-Poly(dT) and Poly(dG)-Poly(dC) DNA Doped with Iodine Molecules"Jpn.J.Appl.Phys.. 42. 215-216 (2003)
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[Publications] 田中 秀和, 川合 知二: "超高感度センサ/バイオセンサ"化学装置. 59-61 (2003)
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[Publications] 田中 秀和, 川合 知二: "基礎から学ぶナノテクノロジー:ナノ加工技術〜先端・新機能デバイスの創製〜"化学同人. (2003)
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[Publications] 田中 秀和, 川合 知二: "ナノテクノロジーハンドブック"オーム社. (2003)