2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子磁性研究に基づいて設計された多重項スピン種のMRI造影剤への展開
Project/Area Number |
15087205
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 登 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60161890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐沢 悟 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (80315100)
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 助手 (50294963)
麻生 真理子 九州大学, 薬学研究院, 助手 (30201891)
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Keywords | MRI造影剤 / ラジカル / DNA / デンドリマー / 緩和能 / 電子スピン |
Research Abstract |
分子磁性研究の展開の一つとして、MRI造影剤への利用が考えられる。まず手始めに水溶性有機化合物からなるスピン多重項種の水プロトン緩和時間に及ぼす影響について調べた。その結果を踏まえ今回、有機ラジカルを2種類の方法(DNA修飾型及びデンドリマー型)で集積化し、電子スピンの集積化の効果や分子サイズの増加が水プロトンの緩和速度に及ぼす影響を検討した。常磁性種存在下、水プロトン緩和時間に影響を与える因子として、回転相関時間(τ_R)があり、τ_Rが大きい程、緩和能は高い。τ_Rは分子サイズ(球状分子の場合、半径の3乗に比例)に影響を受ける 1)DNA修飾型アミノキシルラジカル集積体 ニトロニルニトロキシド(NN)を核酸塩基に持つUNNを1個、または複数個オリゴヌクレオチドへ導入したランダムな一本鎖の緩和能を調べた。更に、π-スタッキング構造を持つ二重鎖形成時での緩和能を一本鎖の値と比較した。その結果、分子量の増加に伴って、緩和能の増加が観測された。 2)デンドリマー型アミノキシルラジカル集積体 4〜32個のカルボキシル基を持つデンドリマーの合成を行い、NNを持つイオン性液体類似化合物を用いイオン交換反応により4〜32個のNNを導入し、各世代のデンドリマー存在下での水のプロトン緩和速度を測定し、分子量及びラジカル数増加に伴う緩和能の変化について検討する事を計画した。現在までに第二世代のデンドリマーの合成を終了した。第二世代デンドリマーの結果は、分子量の増加に依存した緩和能の増加は観測されず、大きな世代のデンドリマー合成が急がれる。
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Research Products
(2 results)