2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子磁性研究に基づいて設計された多重項スピン種のMRI造影剤への展開
Project/Area Number |
15087205
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 登 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (60161890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 悟 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (80315100)
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 助手 (50294963)
麻生 真理子 九州大学, 薬学研究院, 助手 (30201891)
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Keywords | 安定ラジカル / MRI造影剤 / 分子磁性 / 核スピン緩和 / 緩和能 |
Research Abstract |
水プロトン緩和時間に影響を与える因子として、MRI造影剤分子の回転相関時間(τ_R)があり、τ_Rが大きい程、緩和能は高い。τ_Rは分子サイズ(球状分子の場合、半径の3乗に比例)に影響を受けるので、多数のラジカルを持つ分子量の大きなポリマーは、水プロトンに対する高い緩和能を持つことが期待される。本年度は、分子量増加のために2つの方法を行った。1)DNAオリゴマー鎖に(分子量1万以上)安定ラジカルを組み込む。2)水溶性デンドリマー(第三世代で分子量1万を超す)にイオン交換反応により安定ラジカルを導入する。1)では、ラジカルを持つモノマー、ラジカルを1個持つオリゴマー(一本鎖)、そのオリゴマーと相補塩基対からなるオリゴマーとの二本鎖について合成し、緩和能(_r_1及びr_2)の測定を行った。期待通りに分子量が増加するとともに緩和能の増加が観測された。現在、緩和能に及ぼす導入するラジカルの数の効果や用いる核酸塩基の効果などを調べている。2)では、第三世代まで合成を完了し、ラジカルの数の増加による緩和能の増加は観測されたが、分子量の増加の寄与は観測されなかった。原因の一つとして、デンドリマーの分子量の増加が不十分の可能性があり、第四世代及び第五世代の合成を行っている。 更に、枝分かれ構造を持つポリマー(HBP)に複数個(20〜30個)の安定ラジカルを共有結合で導入した。得られたポリマーの緩和能は、現在臨床で使用されているガドリニウム系の造影剤(マグネビスト)を超える値を示した。
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Research Products
(2 results)