2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール薄膜・ワイヤ・クラスターの表面化学的磁化制御と評価
Project/Area Number |
15087211
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
横山 利彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (20200917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佃 達哉 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90262104)
西 信之 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60013538)
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Keywords | 磁性薄膜 / 磁気光学Kerr効果 / X線磁気円二色性 / 走査トンネル顕微鏡(STM) / 磁性ナノワイヤ / 磁性クラスター |
Research Abstract |
磁性金属薄膜・ワイヤ・クラスターはそれ自身の物性に大変興味がもたれているが、本研究ではこれらの金属表面に原子分子を吸着させるなどしてその磁性体の磁気的性質を劇的に変化・制御することを目的としている。本年度本課題では、基板上に作成したナノ磁性試料の構造的評価を行う目的で、主設備として走査トンネル顕微鏡を購入した。10月末に予算執行が許されたばかりで、まだ装置が納入され、装置自体の性能評価だけが終わった段階に過ぎないが、本研究の遂行に対して十分な性能を有していることが確認できた。また、試料を作成するための試料準備室と試料導入室の立上げを別途行った。こちらの真空度は1x10^<-10> Torr以下を達成することができ、想定した真空度より良い真空を得ることができた。 一方、本研究で対象としたい系に関して、現有の超高真空仕様磁気光学Kerr効果測定装置とX線磁気円二色性測定装置を用いて、試料作成・物性測定評価を行った。具体的な測定対象は、Fe/Cu(001)薄膜へのKおよびH吸着などであった。Fe/Cu(001)におけるFeは約4原子層以下で面心正方格子をとり強磁性である。これにKやHを吸着させると磁化が増大することが観測できた。この増大はFe原子の磁気モーメント自体が増加していると考えられ、さらにX線磁気円二色性などで詳細に検討し、STMによる構造的な理解も深める予定である。 またナノワイヤ的な性質を示すと考えられるステップ単結晶表面上での磁性薄膜作成にも着手し始めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Yokoyama, D.Matsumura, K.Amemiya, S.Kitagawa, N.Suzuki, T.Ohta: "Spin reorientation transitions of ultrathin Co/Pd(111) films induced by chemisorption : x-ray magnetic circular dichroism study"J.Phys.Condens.Matter. 15. S537-S546 (2003)
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[Publications] K.Amemiya, S.Kitagawa, D.matsumura, T.Yokoyama, T.Ohta: "Development of a depth-resolved x-ray magnetic circular dichroism : application to Fe/Cu(100) ultrathin films"J.Phys.Condens.Matter. 15. S561-S572 (2003)
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[Publications] K.Okamoto, K.Kohdate, K.Nagai, J.Miyawaki, H.Kondoh, T.Yokoyama, A.Nojima, T.Ohta: "Development of light-modulated XAFS spectroscopy"J.Synchrotron Radiat.. 10. 242-247 (2003)
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[Publications] T.Yokoyama, K.Takahashi, O.Sato: "Metastable photoinduced phase of Cu(II) ethylenediamine complexes studied by x-ray-absorption fine-structure spectroscopy"Phys.Rev.B. 67. 172104 (2003)