2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトナノスペース中へのクリーンエネルギー気体高密度貯蔵
Project/Area Number |
15101003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金子 克美 千葉大学, 理学部, 教授 (20009608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 博文 千葉大学, 理学部, 助教授 (60334166)
東郷 秀雄 千葉大学, 理学部, 教授 (60217461)
小西 健久 千葉大学, 理学部, 助手 (40302525)
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Keywords | ナノスペース / 超臨界水素 / カーボンナノチューブ / カーボンナノホーン / 気体吸着 / 有機無機ハイブリッド錯体 / 分子シミュレーション / ナノ細孔体 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブおよび二層カーボンナノチューブについては細孔構造をあきらかにし、精密なX線回折結果からバンドル構造をも決定して、グランドモンテカルロ法による水素吸着のシミュレーションを実施、実測の吸着等温線と比較した。77Kの超臨界状態で二層カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブに比べて約2倍の水素吸着能を示した。この結果はあらたな水素貯蔵材に対するナノ構造設計の指針になる。また、単層カーボンナノホーンは単層カーボンナノチューブよりも欠陥がおおく、二酸化炭素吸着に対しn型半導体性を示し、電気伝導度が鋭敏に変化することを示した。単層カーボンナノホーンにナノ窓を付与するとこの特性が反転することも示した。一方、スリット型のナノ空間を有する活性炭素繊維を用いて、20Kでの水素と重水素との吸着性を比較すると、質量の大きな重水素のほうがよりよく吸着された。これは量子分子篩効果によるものであることを示した。有機無機ハイブリッドCu錯体結晶LPCについては、われわれの発見になるゲート吸着を生ずる。この原因について研究を継続した結果、昨年度まで構造解析が困難で解決できていないとしていたが、イタリアミラノ大学との共同研究と放射光によるX線回折で、LPCは二酸化炭素吸着時に40%も格子が膨張することが分かった。二酸化炭素吸着にともなう格子の膨張、脱着にともなう格子の収縮は反復繰り返す特性を有しており、極めてソフトなナノスペースを有することが明瞭に示された。超臨界酸素および窒素についても同様なゲート現象が見出され、これら気体分子との包接化合物によると推論した。
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Research Products
(7 results)