2006 Fiscal Year Annual Research Report
単一生細胞成分の経時的ナノ分析:機能分子の採取・同定・注入法の開発
Project/Area Number |
15101004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪飼 篤 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (50011713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 俊哉 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (00201997)
関口 博史 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (00401563)
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Keywords | AFM / mRNA / 培養細胞 / ナノマニュピュレーター / PCR / 細胞膜 / 膜タンパク質 / 生体分子 |
Research Abstract |
本年度の研究は主に、前年度までに成功している生細胞内からのmRNA採取と同定実験をより定量化し、さらに一般に用いられているfluorescence in situ hybridization(FISH)法と呼ばれる方法で得られるmRNAの染色画像結果との比較を行った。FISH法は細胞を固定化後、細胞膜を壊して蛍光色素をラベルした特定mRNA(この場合はβアクチンmRNA)と相補的配列を持つRNAで細胞内RNAを染色後、蛍光顕微鏡でその蛍光強度を記録する。その結果、原子間力顕微鏡を使用してmRNAを採取する我々の開発した方法によるβアクチンmRNAの細胞内局在データとFISH法によるデータに非常によい一致が見られた。我々の方法は細胞を生存状態においたまま行えるので、生細胞内のmRNA局在とその変化を経時的に追跡することが可能である。このことを示すために、複数の細胞について、常時発現されているβアクチンmRNAを基準として、一過1生に発現する4種類の異なるタンパク質に対応するmRNAの発現状況を追跡し、細胞を殺すことなくmRNAの発現状態をモニターできる方法であることを示した。細胞に対する損傷を少なくするために、一回の穿刺から5種類のmRNAの定量的同定をかのうにしたのは画期的である。膜タンパク質の採取に際して見られる原子間力顕微鏡のフォースカーブの解析から、細胞骨格と連結をもっタンパク質と持たないタンパク質で明らかにフォースカーブの形が異なることを赤血球膜タンパク質について見出したので、その結果をトランスフェリン受容体(細胞骨格と結合をもたない例)やインテグリン(細胞骨格と結合を持つ例)などについて拡張した。さらに細胞膜を除去して細胞骨格のみを露出した状態における細胞骨格結合を持つ膜タンパク質について細胞骨格との結合力学を測定した。
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Research Products
(6 results)