2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15101006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10343245)
奥崎 大介 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00346131)
東岸 任弘 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20379093)
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Keywords | ダミーRNA技術 / LATS2 / 血液細胞 / ノックアウトマウス / 癌抑制遺伝子 / 分裂酵母 / GAK / 減数分裂 |
Research Abstract |
本年度は1細胞由来のRNAから効率的にcDNAを合成する方法としてダミーRNA(dRNA)技術の開発に成功した。これにより一個の細胞からより高品質なcDNAライブラリー(ナノ・ライブラリー)を作成することが可能となった(特許出願中)。dRNA技術の応用範囲としてはcDNAライブラリー作製や段階的サブトラクション(多段差引)法の他に、DNAチップ解析等にも応用できる。Lats2の生理的機能を解明するため、LATS2ともう一つの類似遺伝子LATS1それぞれの全遺伝子欠失(LATS2^<-/->,LATS1^<-/->)マウスを作製した。その結果、Lats1のノックアウト(KO)マウスは発育遅延を示すものの致死ではなく、Lats2 KOマウスは胎生11.5日目で致死であった。その死因としてLats2 KOマウスでは脳・脊髄における神経細胞の減少を高頻度に認めた。これらの結果は、Lats2がLats1とは異なり胚の発生・分化に必須な遺伝子であることを示唆している。さらにLats2 KO胚由来の線維芽細胞(MEF)において細胞増殖速度の増加、中心体の断片化、染色体整列の異常および細胞核の巨大化と多核化が観察されたことから、Lats2が正常なM期進行と細胞質分裂の制御に必要であることを明らかにした。cyclin Gと結合するSer/ThrキナーゼであるGAKには核局在型と細胞質局在型の2種類があることを見つけた。GAKは脱リン酸化酵素PP2Aと結合してリン酸化していた。そのリン酸化位置を決定し、リン酸化抗体を作製してin vivoでの挙動を調べた。GAKキナーゼ活性を不活化させた変異体(GAK-kd)と、PP2A B'のGAKリン酸化位置をアラニンに置換した変異体を同時に発現させることで簡単にPP2Aの脱リン酸化標的が同定できる実験システムを開発し特許を申請した。
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Research Products
(10 results)