2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式の大域的可解性と解の漸近挙動に関する統一理論
Project/Area Number |
15104001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / エネルギー不等式 / 一意性 / ベゾフ空間 / L^p-L^q評価 / 双線形評価式 / 特異積分作用素 / BMO |
Research Abstract |
R^nにおいてNavier-Stokes方程式は初期条件aがL^nに属するならば滑らかな解uが時間局所的に一意的に存在することが知られている.いまその局所時間をTとする.さらにa∈L^2∩L^nであればuは時間[0,T)においてエネルギー等式が成り立つか?という問題を考察した.もちろんa∈L^2∩L^nあればエネルギー等式を満たすような時間局所解は存在するが,最初に時間(0,T)で与えられた強解u(t)が区間全体で,すなわち,すべての0【less than or equal】t【less than or equal】Tでエネルギー等式を満たすかどうかは決して自明ではない.実際,与えられた初期値a∈L^2∩L^nごとにエネルギー等式を満たす時間局所的な強解が存在するが,その存在時間は最初に指定されたTまで到達するかどうかは保証されないからである.本研究ではu∈C([0,T);L^n)なる強解は,u(0)∈L^2∩L^nであれば,必然的にエネルギー等式を満たすことを証明した. その際,L^nにおけるプレコンパクト集合Kを指定するごとに正数T=T(K)が存在して,Kに属する任意の初期値に対して,C([0,T);L^n)に属する強解uが存在することと,および関数空間C([0,T);L^n)に属する強解は一意的であることが重要な役割を演じる.つぎに本研究では,非有界領域において無限遠方で減衰しない解の考察を行なった.例えば,初期値がL^∞(R^n)に属する関数の場合は,儀我等による古典解の時間局所的な存在が示された(02年).L^∞においては特異積分作用素の有界性が保証されないため,ソレノイダル空間への射影作用素の取り扱いが著しく困難となる.儀我等は,Navier-Stokes方程式特殊な非線形構造に着目し,ハーディ空間とその双対空間であるBMOを駆使してBUC(R^n)に属する初期値に関して,時間局所解を構成した.本研究では斉次ベゾフ空間における双線形評価式と基本解のL^p-L^q評価を確立し,L^∞よりやや広いB^0_∞,∞に初期値をとるNavier-Stokes方程式の時間局所解の一意存在定理を証明した.さらに,解の時間延長可能性について渦度がB^0_∞,∞に値をとる関数として可積分であれば十分であることを示した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] KOZONO, H.: "Remark on the paper by S. Dubois "Mild solutions to the Navier-Stokes equations and energy equality""Differential and Integral Equations. 16. 583-585 (2003)
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[Publications] KOZONO, H., OGAWA, T., TANIUCHI, Y.: "Navier-Stokes equations in the Besov space near L^∞ and BMO"Kyushu J.Math.. 57. 303-324 (2003)
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[Publications] KOZONO, H., YATSU, N.: "Extension criterion via two-components of vorticity on strong solutions to the 3 D Navier-Stokes equations"Math.Z.. 246. 55-68 (2004)