2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15104005
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守友 浩 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00283466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 健一 独立行政法人理化学研究所, 高田構造科学研究室, 研究員 (90344390)
上岡 隼人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40431671)
|
Keywords | 時間分解構造解析 / 粉末X線構造解析 / MEM電子分布解析 / SPring-8 / 時間分解分光 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、筑波大学における光誘起物性の探索を行い、時間分解回折実験に望むことである。照準物質は、光誘起磁性を示すシアノ架橋金属錯体であり、光誘起を効率よく行うために、電解析出法で配向膜を作成する。研究実績の概要は下記のとおりである。 1.電解析出法により価数制御されたシアノ架橋錯体の良質配向膜を系統的に作成した。特に、酸化量とカチオン濃度のあいだに比例関係があることを確認した。得られた配向膜の可視吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、磁化率の温度依存性、格子定数の温度依存性を測定し、組成-電子相図を明らかにした。 2.シアノ錯体のフェムト秒分光を行い、緩和の早い成分と遅い成分のスペクトルの帰属を行った。さらに、励起光強度とともに緩和時間が増大することを見出した。(国際ワークショップで報告するとともに、論文を投稿中) 3.BL40XUビームラインで付加逆現象の時間分解回折実験を行った。結果は、APEXに掲載予定である。この手法は、シアノ錯体の時間分解回折に応用できる。 4.強相関電子系であるNd1/2Sr1/2MnO3とRbMn[Fe(CN)6]の電荷状態を静電ポテンシャル法で明らかにした。結果は、それぞれ、原著論文として報告済み。 5.Co-Wシアノ錯体の構造に及ぼす、光励起、圧力印加の影響を明らかにした。結果は、それぞれ、原著論文として報告済み。 6.スピンクロスオーバー錯体で、on-offタイプの新しい光スイッチを見出した。さらに、on状態での電子レベルでの構造解析に成功した。
|
Research Products
(22 results)