2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15104008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 茂徳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50111737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
中嶋 悟 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80237255)
圦本 尚義 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80191485)
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Keywords | 世界最古微化石 / 太古代表層環境 / 硫黄同位体 / 太古代海洋底変成作用 / 冥王代大気組成 / 炭素除去機構 / 全球凍結直後 / 川砂ジルコン年代頻度分析 |
Research Abstract |
本年度は年次計画に沿って、西オーストラリア地域の35〜30億年前と27億年前の微化石含有試料の精密サンプリング及びその棲息環境解析の為の地質調査と試料の収集を行った。一方で、既に収集済みの試料から、新たな微化石を発見・記載した。微化石の年代は世界最古の36億年を示した。SIMSによるスポット炭素同位体の分析から、微化石の棲息環境が有光層(水深100m以浅)にもかかわらず、酸素発生型光合成特有の酵素を利用しない、別のタイプであることが判明した。 太古代の大気の酸素環境を反映する指標になる可能性が指摘され、注目を浴びつつあるパイライトの硫黄同位体比の非質量依存性の研究を推進する為に、研究協力者が米国カーネギー研究所に出張して、測定を行った。 太古代海洋地殻の海洋底変成作用の解析から、当時の大気・海洋組成の定量分析を進めてきたが、本年度は炭酸塩岩化した海洋地殻の沈み込みによってマントルへ固定された炭素の量の計算を行った。その結果、冥王代には膨大な量の炭素が原始大気に存在した為に、地球史初期の6億年は地球に海洋が存在しなかった可能性が浮上した。地球誕生後6億年の間、大気から炭素が選択的にマントルに除去され、40億年前に海洋が誕生し、プレート運動が始まった。一方、最近6億年は逆に、水がマントルへと逆流しているという、地球史を通じて炭素と水の逆の挙動が明らかになってきた。 ロシア・アルタイ地域の試料の室内分析から、全球凍結直後、約6億年前の巨大海洋内部に発達した海山頂部の礁性石灰岩から当時の表層・生命環境が明らかになってきた。当時の温暖な古環境、リン酸塩殻をもった化石の存在を確認した。Sr同位体年代は6.01億年であった。 世界の巨大河川の川砂ジルコンの年代頻度分布曲線の徹底的解析は順調に進行中である。既に5000個程度の分析が終了し、原生代の中・後期に約80%の大陸が成長するという新しい考えを支持するパターンを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Katayama, I., Maruyama, S.: "Inclusion study in zircon from ultrahigh-pressure metamorphic rocks : An excellent tracer of metamorphic history"Recent Res.Devel.Stat.Phys.. 3. 1-23 (2003)
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[Publications] Katayama, I., Muko, A., Iizuka, T., Maruyawa, S., Terada, K., Tsutsumi, Y., Sano, Y., Zhang, R.-Y., Liou, J.G.: "Dating of zircon from Ti-clinohumite-bearing garnet peridotite : Implication for timing of mantle metasomatism"Geology. 31(8). 713-716 (2003)
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[Publications] Liu, F., Zhang, Z., Katayama, I., Xu, Z., Maruyama, S.: "Ultrahigh-pressure metamorphic records hidden in zircons from amphibolites in Sulu Terrane, eastern China"The Island Arc. 12. 589-592 (2003)
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[Publications] Usui, T., Nakamura, E., Kobayashi, K., Maruyama, S., Helistaedt, H.: "Fate of the subducted Farallon plate inferred from eclogite xenoliths in the Colorado Plateau"Geology. 46. 1-27 (2003)
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[Publications] Komiya, T., Maruyama, S., Hirata, T., Yurimoto, H., Nohda: "Geochemistry of the oldest MORB and OIB in the Isua Supracrustal Belt, southern West Greenland : Implication and temperature of early Archean upper mantle"The Island Arc. 3. 47-72 (2004)
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[Publications] Liou, J.G., Tsujimori, T., Zhang, R.Y., Katayama, I., Maruyama, S.: "Global UHP metamorphism and continental subduction/collision : the Himalayan model"International Geology Review. 46. 1-27 (2004)