2005 Fiscal Year Annual Research Report
貝穀形成に関わる遺伝子の網罹的探索:軟体動物ゲノムプロジェクトに向けて
Project/Area Number |
15104009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
遠藤 一佳 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (80251411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉谷 滋 理化学研究所, 形態進化研究チーム, チームリーダー (00178089)
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Keywords | 貝殻形成 / 軟体動物 / 発生進化学 / バイオミネラリゼーション / 形態形成 / 発生遺伝学 / Lymnaea / ゲノム |
Research Abstract |
今年度は以下の研究成果を得た.(1)他の巻貝において貝殻形成への関与が疑われるHox1遺伝子のモノアラガイ幼生における発現をin situ hybridization法により調べた.その結果,モノアラガイの貝殻形成ではHox1遺伝子が関与していないことが示唆された.(2)貝殻形成に関与する遺伝子を人工変異体から単離するための準備として,モノアラガイの細胞性アクチン遺伝子の全長cDNAを単離し,インバースPCR法によりそのプロモーター領域(約1.2kb)のクローニングを行った.現在レポーター遺伝子との組換体を受精卵に導入することで活性の確認を行っている.(3)貝殻基質タンパク質Dermatopontinの機能をRNA干渉法により調べるための基礎実験を行った.その結果,二本鎖RNAのモノアラガイ成体への導入による遺伝子発現の低下が示された.(4)貝殻の巻きのメカニズムへの関与が疑われるgalectinについて,全長cDNAを単離した.その結果,モノアラガイで単離されたgalectinが哺乳類のgalectin-9(細胞死の制御などに関与)に最も近いことが分かった.(5)galectinの機能を調べるため,RNA干渉法による解析を行った.その結果,成体では目立った表現型の変化が見られないものの,二本鎖RNAを導入した成体に由来する子世代において貝殻が巻かないという異常を示す表現型がある一定の頻度で生じることが分かった.このことはparentalなRNA干渉が起きていることを示唆すると同時に,galectinが貝殻の規則的ならせん成長を制御している因子であることを示唆する.
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Research Products
(5 results)