2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリーン関数STMの開発とそれによるナノ電子輸送ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
15106001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 巌 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00343103)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 走査電子顕微鏡 / グリーン関数STM / マルチプローブ顕微鏡 / 電気伝導 / ナノ構造 / 表面構造 / 表面電子状態 |
Research Abstract |
昨年度製作した極低温型4探針STM装置(グリーン関数STM装置)の動作試験および調整を行い、いくつかの点について改良を行った。また、カーボンナノチューブを利用したSTM探針の製作を行い、その電気特性を測定した。以下に、詳細を述べる。 (1)液体ヘリウムを用いて試料ステージの冷却試験を行い、到達温度7K、持続時間20時間以上を達成し、初期性能を確認した。 (2)STMスキャナーが振動に弱く、原子分解能を得るのが極めて困難だったため、設計を変更して耐振動性の高い構造に改造した。これにより、室温では原子分解能が比較的容易に得られるようになった。 (3)STM/STSモードと4探針電気伝導測定モードを切り替えられるヘッドアンプを設計製作し、その動作試験を行い、初期性能を確認した。 (4)カーボンナノチューブ(CNT)探針の製作を行った。走査電子顕微鏡中で、タングステン探針の先端にCNT探針を接合し、さらに、パルスレーザー蒸着法でその探針にタングステンおよび白金イリジウム薄膜をコートした。その探針を用いてSTM像が取れることを確認した。また、CNTとタングステン探針の接合部の電気抵抗を4探針STM装置によって測定し、数百Ω程度まで低減できることを見出した。 (5)2本のタングステンCNT探針を4探針STM装置に装着し、SEM観察しながらお互いに近づけたところ、約50nmまで接触させることなく近づけられた。この探針間距離は、世界最小の新記録である。
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Research Products
(7 results)