2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリーン関数STMの開発とそれによるナノ電子輸送ダイナミクスの研究
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15106001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 巌 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00343103)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 走査電子顕微鏡 / グリーン関数STM / マルチプローブ顕微鏡 / 表面電気伝導 / ナノ構造 / 表面構造 / 表面電子状態 |
Research Abstract |
(1)金属被覆カーボンナノチューブ(CNT)探針を安定した品質で作製することが可能となった。また、4探針走査トンネル顕微鏡(STM)装置を用いて、その電気抵抗の測定に成功した結果、W被覆よりPtIr被覆探針の方が低い抵抗値を示し、良好であることがわかった。 (2)4探針STM装置の中で、PtIr被覆CNT探針を近づけて最小探針間隔30nmを達成したことを走査電子顕微鏡像で確認した。これは、通常のW探針の場合より1桁小さな値である。 (3)PtIr被覆CNT探針を用いた4探針STM装置で、コバルトシリサイド・ナノワイヤの電気抵抗を最小探針間隔80nmまで測定した。その結果、室温では拡散的伝導であることがわかった。 (4)Si(553)微傾斜表面上にAuを0.2原子層蒸着したときに形成される金属原子鎖列の電気抵抗の温度依存性を測定した結果、160K近傍で金属絶縁体転移を起こすことを見出した。これは、類似の構造をもつSi(557)-Au表面とは著しく異なる現象で、その原因を究明中である。 (5)極薄シリコン酸化膜上に形成されるGeナノドットの電子状態および電気伝導特性を測定した結果、ドットサイズに依存した量子閉じ込め効果を明瞭に観測し、また、ドットと酸化膜界面構造に依存して量子化エネルギー準位や電気伝導度が異なることも明らかとなった。 (6)Si(111)-√3×√3-Ag表面上に0.14原子層のAuを蒸着して√21×√21表面超構造を形成すると、2次元自由電子的なフェルミ面が√21×√21ブリルアン領域に従って折り返され、その結果、多数キャリアがホールになることをホール係数の測定から直接検出できた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Electrical Characterization of Metal-Coated Carbon-Nanotube Tips2005
Author(s)
S.Yoshimoto, Y.Murata, R.Hobara, I.Matsuda, M.Kishida, H.Konishi, T.Ikuno, D.Maeda, T.Yasuda, S.Honda, H.Okado, K.Oura, M.Katayama, S.Hasegawa
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Journal Title
Japanese Journal of Applied Physics 44
Pages: L1563-L1566
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[Journal Article] Exploiting Metal Coating of Carbon Nanotubes for Scanning Tunneling Microscopy Probes2005
Author(s)
Yuya Murata, Shinya Yoshimoto, Masaru Kishida, Daisuke Maeda, Tatsuro Yasuda, Takashi Ikuno, Shin-ichi Honda, Hideaki OkadO, Rei Hobara, Iwao Matsuda, Shuji Hasegawa, Kenjiro Oura, Mitsuhiro Katayama
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Journal Title
Japanese Jourmal of Applied Physics 44
Pages: 5336-5338
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