2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15106002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩行 正憲 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (10144429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 健 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (60332748)
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Keywords | テラヘルツ波 / フェムト秒レーザー / テラヘルツ時間領域分光法 / イメージング / メタマテリアル / テラヘルツ電子スピン共鳴 / 反強磁性共鳴 / ラセミ体 |
Research Abstract |
本研究では、主として超短パルスレーザー励起によるテラヘルツ波の発生とその多様な応用の研究を進めることにしている。本年度は、最終年度として研究のとりまとめを行うとともに、次の研究に向けて新たな試みも行った。既に、アミノ酸においてL体とD体の成分比をテラヘルツスペクトルから求めることができることを示しているが、酒石酸にも適用できることを示し、この手法が化学分析手法として広い適用可能性を有することが判明した。テラヘルツ帯での金属フォトニック結晶について、異常透過、偏光変換、光学活性などの特性を明らかにするとともに、準周期系(Penrose系)でも共鳴透過現象が現れることを示し、双極子理論により定量的な説明を行った(東北大宮嵜氏との共同研究)。2次元のチェッカーボードパターンあるいはカットワイヤー金属構造について透過特性を調べ、ごくわずかなトポロジカルな構造変化が、テラヘルツ帯での金属-絶縁体転移を引き起こすことを見出した。波長が構造周期よりも長い領域では、この試料は一種のメタマテリアルと看做すことができるため、わずかな構造変化によって誘電率を大きく変えることができることを示したことになる。また、テラヘルツ時間領域分光法を初めて電子スピン共鳴(ESR)に応用した。これは、将来の高速時間分解ESRのための第一歩である。さらに、反強磁性体NiOをフェムト秒レーザーで励起した結果、放射テラヘルツ波に周期約1psの振動成分が観測されることを新たに見出した。この周期は1THzに相当し、反強磁性共鳴波が励起されたものと考えられる。
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Research Products
(25 results)