2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高精度X線ミラー作製による高分解能X線顕微鏡の開発
Project/Area Number |
15106003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山内 和人 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10174575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (60240074)
佐野 泰久 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (40252598)
稲垣 耕司 大阪大学, 工学研究科, 助手 (50273579)
三村 秀和 大阪大学, 工学研究科, 助手 (30362651)
森 勇藏 大阪大学, 工学研究科, 名誉教授 (00029125)
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Keywords | X線ミラー / X線顕微鏡 / X線集光 / 超精密加工 / 超精密形状計測 / 放射光 / コヒーレントX線 |
Research Abstract |
本年度は、加工技術の更なる改良、昨年度開発したシステムを用いたX線ミラーの作製、コヒーレントX線によるミラーの集光特性の評価を行った。 (加工技術の改良) 加工技術の改良では、X線ミラーの作製に適用されるEEMにおいて、加工原理を実験的に明らかし、それを踏まえ、加工効率の向上、表面粗さの向上を行った。一般的に超純水中では、ミラーの基板材料として用いるSi表面は、エッチングされ表面粗さが悪化するのに対して、加工液中では、同等のエッチング現象が観察されず、EEMにより一度平坦化された表面は加工液中では、保持されることが確認された。また、使用する微粒子に加工面との接触面積の大きな、非球形微粒子を採用することで、加工速度を約200倍増加させることに成功し、数値制御加工時間の大幅な短縮が可能となった。 (X線ミラーの作製) 15keVのX線において、集光ビームの強度プロファイルの半値幅が36nmと48nmとなるX線ミラーの作製を行った。形状計測には、昨年度開発したRADSI(Relative angle determinable stitching interferometry)を採用し、加工には、PCVMにより、PV:100nm程度まで形状修正を行った後、EEMにより、最終仕上げおよび表面粗さ除去を行っている。両ミラー表面において最終形状としてPV:1nmとなる形状精度を達成した。ミラー表面は、全反射角度の大きさを白金コーティングしている。 (X線ミラーの評価) SPring-8 BL29XULにおいて、作製したミラーの評価を行った。理想的なK-B配置による2次元集光を実現するための高精度ミラーアライメントシステムを導入した。15keVの硬X線において、集光サイズが36nm×48nmとなる回折限界集光を達成した。
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Research Products
(10 results)