2004 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール解析に基づく構造-地盤連成系の長期性能予測プラットフォームの開発
Project/Area Number |
15106008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍岡 文夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70111565)
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60312972)
内村 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60292885)
半井 健一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10359656)
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Keywords | 多階層型細孔構造 / 地下環境 / 鋼材腐食 / セメント改良土 / 物質平衡 / 耐久性 / 地下構造 / 残存耐力 |
Research Abstract |
セメント系複合材料-地盤の両者を包含する多階層型細孔構造と相互連結固体モデル:土粒子間の連結空隙構造をセメント系複合材料の微細空隙構造(層間,ゲル,キャピラリー)モデルに導入し,物質平衡-移動-反応-変形に関する数値プラットフォームの適用範囲を,自然および改良地盤まで拡張した。この拡張熱力学連成解析を土粒子間隙水の圧力と変形にまで連結させて,地震時の構造-地盤液状化解析と構造中のコンクリートの過渡的な変性を追跡する多階層連結解析コードを完成させた。 低-高サイクル時間-繰返し応力に対応するメソスケール構造材料モデルと構造疲労損傷予測:長期持続応力及び繰返し疲労に対する,ひび割れを含む鉄筋コンクリート構成則の適用範囲の拡張を行った。高応力状態での非線形時間依存変形の進行モデルを,弾塑性破壊型構成則を一般化することで達成し,時間成分を取り除いた繰返し作用の影響度を、数値解析働型実験から抽出することができた。 セメント改良地盤と地下環境問題への拡張:セメント改良土中のセメント水和反応を断熱温度上昇試験装置で抽出し,高精度で複合水和発熱モデルが適用できることを検証した。地下水が自然流動する速度範囲では,地下構造を形成するコンクリートでは問題にならないものの,セメント改良地盤からのカルシウム溶出は無視できない場合があることを見いだし,粗な硬化体中の水分の移流が寿命を大幅に低下させる可能性を実験と解析から示した。 鋼材腐食に伴う欠陥を有する鉄筋コンクリート部材の挙動シミュレーションと構造安全性評価:部分的に促進腐食させたRC部材の残存耐力と変形能を実験と数値解析の両面から検討した。せん断スパン内の主鉄筋腐食で巨視的な付着機構が破壊され大幅な剛性低下が発生するものの,せん断耐力は向上することを示した。一方,主鉄筋定着領域で選択的に腐食損傷が導入されると,構造システムの急速な崩壊に繋がること,これを数値解析で再現する方法を併せて提示した。
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Research Products
(10 results)