2006 Fiscal Year Annual Research Report
安定化過冷却液体の大過冷却相変態の利用による高機能性非平衡金属材料の創製と工業化
Project/Area Number |
15106010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 明久 東北大学, 総長 (10108566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 章 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40250815)
LOUZGUINE D.V. 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60302212)
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Keywords | バルク金属ガラス / 後期遷移金属 / 局所原子構造 / ペティフォーマップ / 二元系化合物 / ガラス遷移 / 自由体積 / 熱膨張 |
Research Abstract |
本年度は鉄族を中心とした後期遷移金属基のバルク金属ガラスの作製を行うとともに、得られたバルク金属ガラスの特性、局所原子構造およびガラス遷移現象の解析を行い以下の結果を得た。新しい鉄およびコバルト基バルク金属ガラスの作製に成功し、これらのバルク金属ガラスが4000MPaを超える機械的強度を示すことを明らかにした。さらに、ニオブおよびタンタルの少量添加がこれらのバルク金属ガラスの形成能の向上に対して有効であることを示した。二元系化合物のペティフォーマップを用いた局所原子構造解析を行い、代表的な二元系金属ガラス合金では配位数が10、12、15で表される特異な局所原子構造が頻繁に確認され、これらの局所構造がガラス相を安定化させる要因であることを示した。さらに、パラジウム基金属ガラスに対して、自由体積理論に基づき提唱されている非線形方程式を用いたガラス遷移現象の数値解析を行うとともに、従来の非線形方程式に近似を与えることにより、線形解を導出することに成功した。シンクロトロン放射光を利用して銅基金属ガラスの二体分布関数を実空間および逆空間で同時解析した。その結果、銅基金属ガラスの熱膨張は、回折プロファイルのハローパターンのピーク位置のシフトに対応することが明らかになった。ニッケル基および銅基ガラス合金のガラス形成能に及ぼす両合金の熱伝導率の効果について解析を行った結果、両合金の熱伝導率の大小がバルク金属ガラスの形成能に影響を与えることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)