2007 Fiscal Year Annual Research Report
安定化過冷却液体の大過冷却相変態の利用による高機能性非平衡金属材料の創製と工業化
Project/Area Number |
15106010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 明久 Tohoku University, 総長 (10108566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 章 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40250815)
LOUZGUINE D.V. 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60302212)
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Keywords | 過冷却液体ガラス / ポーラス / 機械的性質 / 柔粘性結晶 / 局所原子構造 / 中範囲規則 / 正20面体クラスター / ポアソン比 |
Research Abstract |
1から8MPaの高水素雰囲気における水素吸収-放出法および水焼入れ法により、種々のポーラス導入Pd-Cu-Ni-Pガラス合金を作製できることを明らかにした。雰囲気水素圧力を変化させることにより、ポロシティ、ポア寸法およびポア密度は幅広い範囲で制御可能である。得られたポーラスバルクガラス合金の熱的性質は、ポアを含まないガラス合金と同一である。ポーラスバルクガラス合金の圧縮破断試験では、ヤング率および0.2%耐応力はわずかに下降するが、塑性ひずみおよび最終破断までのエネルギー吸収は劇的に改善される。ポアの導入の有無が機械的性質に及ぼす影響は、ポア周囲の応力集中により説明することができる。計算機科学による液体および過冷却液体の安定性の解析で、柔粘性結晶モデルによる分子動力学シミュレーションを考察し、鉄基およびジルコニウム基バルク金属ガラスの局所原子構造の特徴を解析した。その結果、BCCおよびその関連相に起因するクラスターおよび原子集合体として、バルク金属ガラスの局所原子構造を表現することが可能であり、このクラスター原子集合体により、金属ガラスの中範囲規則を表すことが可能であることが明らかになった。超音波パルス、X線回折、透過電子顕微鏡観察およびアルキメデス法により、Zr-Ni-Cu-Al-Pd五元系バルクガラス合金の弾性的性質、合金組成、微細構造および比体積変化を測定した。その結果、同バルクガラス合金は、熱処理により、0.2%のきわめて小さい比体積変化を起こすことを明らかにした。同バルクガラス合金中に存在する正20面体局所規則がモードIIおよびモードIIIの混合された三次元的なせん断に対して抵抗となり、同バルクガラス合金の優れた弾性的性質の発現に寄与していることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)