2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス排出抑制型低温高酸素ポテンシャル高速新製銑法の開発
Project/Area Number |
15106011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和宏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70114882)
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Keywords | 鉄鉱石 / 還元 / 銑鉄 / マイクロ波加熱 / 低温製鉄 / 石炭 / 粉体 / たたら製鉄 |
Research Abstract |
熔鉱炉法による鉄鉱石とコークスからの銑鉄製造では、製造に6〜8時間かかっており、炉高が30m近くあるため強度の大きい塊状の優良な原料を使用する必要があるため、将来の供給に不安がある。本研究では、粉体状の原料を使用することにより、熔鉱炉法より約200℃低温で数桁高い酸素ポテンシャル下、15分程度で銑鉄を製造する高速製銑法の可能性を実験的に示した。原料の粒径を小さくすることにより、表面積が体積に対して大きくなるので短時間で反応が終了する。しかし、炭材による鉄鉱石の還元反応は吸熱反応のため、反応速度が大きくなると、熱供給が律速になる。熔鉱炉では熱を高温ガスにより供給するが、これに粉体を用いると通気性を阻害するので、過去に成功した例は皆無である。唯一、我国のたたら製鉄では低い箱型炉を用い、ソフトブローでかつ燃料比4程度の大きなエネルギー消費で商業生産を行っていた例がある。たたら製鉄法は、先に述べた低温高酸素ポテンシャル高速製銑法であり、したがって純度の高い優秀な鋼を製造していたことを研究代表者は明らかにしている(研究発表(1)と(2))。粉体原料を用い高い反応速度を得るためには、バーナーで炉壁を加熱する反射炉や高温ガスで加熱する従来の方法では熱供給律速を解決することはできない。本研究では、マイクロ波を利用して原料その物が発熱する新しい加熱・反応方式を提案した。昨年度に引き続き、2.45GHz、5kWのマイクロ波を用い鉄鉱石粉と石炭粉混合物を用いた銑鉄生成反応を研究した。その結果、厚さ9cmの反応層でも銑鉄製造が可能であることを示した。また、原料の総重量とマイクロ波の出力が小さいと反応時間が長くなるが、いずれも1350℃を越えた時点で溶融銑鉄が生成した。さらに、100kWのマクロ波連続炉(高砂工業(株)所有)で約3kgの試験を行った。十分な不活性雰囲気にできなかったが、銑鉄が生成しており、一部溶融していた。
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Research Products
(6 results)