2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス排出抑制型低温高酸素ポテンシャル高速新製銑法の開発
Project/Area Number |
15106011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和宏 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70114882)
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Keywords | 鉄鉱石 / 還元 / 銑鉄 / マイクロ波加熱 / 低温製鉄 / 炭材内装ペレット / 還元速度 |
Research Abstract |
銑鉄製造で、鉄鉱石から酸素を取るために必要な炭素と反応を起させるために必要なエネルギーを分離して考えた。本研究ではマイクロ波をエネルギー源として用いる方法を確立した。工業化を目指し連続製銑炉の開発を行なった。窒素雰囲気の10.5kWマイクロ波炉を用い、反応容器の材質、量および形状、マグネタイト鉱石粉とコークス粉の混合物原料を連続供給する方法、そして溶融銑鉄を取り出す方法を研究した。原料を反応容器に供給すると約1200℃で数10秒の間に溶融銑鉄が生成し、反応容器底面側壁の開穴部から連続的に流出した。1時間に約2kgの割合で銑鉄が製造でき、現代高炉の10倍の出銑比を得た。銑鉄はマイクロ波を吸収しないため温度が低下し凝固する。そのため反応容器の耐火物がある程度発熱し約1400℃を維持し、さらに酸化鉄に耐久性のある材質を選択することが重要である。反応容器を保温するための断熱材はマイクロ波を吸収しない材質を選ぶ。材質は主にポーラスなアルミナが有効であることが分かった。原料供給管は、ステンレス管などマイクロ波を反射する物質が良い。反応炉の温度が1400℃になるとセラミクスと酸化鉄が反応し壁に付着すると結局原料が管に詰まってしまい、そちらにマイクロ波エネルギーが取られて反応炉内にエネルギーが行かなくなる。溶融銑鉄を受けるにはマイクロ波を反射する鉄ルツボが良い。セラミックスの容器では、溶融銑鉄で過熱されるとマイクロ波を吸収し始め、やはり原料にエネルギーが行かなくなる。2.8kWマイクロ波実験炉で、マグネタイトとグラファイト混合物を窒素中で反応させ、排ガスの分析をガスクロマトグラフィーで行った。最初の数10秒で温度が約900℃に急上昇し、CO_2ガスが多量に発生する。これは還元反応における炭素利用率が100%に近いことを示している。したがって、連続製銑炉の反応状況から炉内の酸素分圧は高く維持されており、そのため銑鉄中の不純物濃度が小さくなることが分かった。
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Research Products
(20 results)