2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス排出抑制型低温高酸素ポテンシャル高速新製銑法の開発
Project/Area Number |
15106011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 和宏 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (70114882)
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Keywords | 鉄鉱石 / 還元 / 銑鉄 / マイクロ波加熱 / 低温製鉄 / 炭材内装ペレット / 還元速度 |
Research Abstract |
マイクロ波加熱連続製銑法の開発を行った。12.5kw2.45GHzマルチモード型マイクロ波加熱炉を用いた。前年度の結果をさらに発展させた。原料は振動型搬送装置を作製し連続的に供給した。反応容器には金属溶解用マグネシアルツボを用い、ルツボ下部壁面に穴を開け、銑鉄流出口とした。ルツボ底はグラファイト混入マグネシアセメントで覆った。セメント自身が発熱し銑鉄を溶融状態に保持した。出口にはポーラスアルミナの被いを付け出口側にSiCを塗布して保温をした。銑鉄は出口下に置いたグラファイトルッボに溜めた。反応容器と銑鉄保持ルツボはポーラスアルミナレンガで囲った。温度は放射温度計で反応容器内部と銑鉄出口で測定した。原料はマグネタイト鉄鉱石粉末に18重量%のコークス粉を混合したものを用いた。最初、原料を200g反応容器に入れて置き、窒素ガスに置換後、5分間隔で2.5kwづつ出力を上げた。1200℃を越えると銑鉄が生成し、流出しながら約30分で1400℃に到達した。原料を50g投入すると温度が約100℃下がり、1400℃への回復に5分掛った。10回目の原料投入頃には温度の回復が次第に遅くなった。約300gの銑鉄が得られたが、供給電気に対するエネルギー効率は2%程度であった。この原因は、炉内に均一に充満しているマイクロ波エネルギーに対し、それを吸収する原料の体積が小さすぎたこと、ポーラスアルミナレンガがマイクロ波を吸収し、次第に自身が発熱したことにある。以上より、マイクロ波加熱製銑炉の基本概念を提案した。1つは、マイクロ波を原料に集中させるか、あるいは原料をマイクロ波中に分散させて吸収効率を上げることである。他は、装置を保温する耐火物としてシリカベースのポーラスなボードやアルミナ質繊維を用いることである。この概念に従い、新しいマイクロ波炉を設計した。
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