2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15106013
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八坂 哲雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80261238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 迪雄 崇城大学, 工学部, 教授 (10025968)
永山 邦仁 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20040446)
麻生 茂 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40150495)
宇田 暢秀 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20160260)
室園 昌彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10190943)
|
Keywords | 惑星探査 / エアロブレーキ / エアロキャプチャー / アブレーション / 小型衛星 |
Research Abstract |
本研究では木星を対象とした惑星大気アエロブレーキに向けて、2つの方向で着実に成果を上げることができた。一つは、地球近傍の軌道を使ったアエロブレーキの実証を行う宇宙機の開発、もう一つは、大気突入時の機体周りの現象の把握である。 宇宙機は大気突入実験を有効に行うことなどを視野に入れて、テザー衛星「QTEX」を目指している。テザー伸展機構についてはすでに基本的なシステム開発が終わっており、今年度はより一般的ではあるが、大学において利用可能な安価で広範囲な利用開拓が可能な衛星バスの開発に集中して研究を行った。テザー両端に配置する衛星の一個を「QTEX-PR」と称し、その構成要素とそれらを統合するシステムを開発した。構成要素は、姿勢検出、姿勢制御、データーハンドリング、通信、電源からなる。今年度は、各要素の機能モデルをすべて学生の手作りで完成し、これらを結合することによりシステム総合性能を確認した。さらに、これを基にして、搭載条件を考慮したエンジニアリングモデルを製作している過程にある。昨年度購入の振動試験機、新たに購入した真空槽を用いて、試作品の評価を進め、来年度半ばには、打ち上げに適合した衛星「QTEX-PR」が完成することが確実になった。なお、データーハンドリングには、地上では自動車などに実用化されているが、宇宙では最先端であるCANシステムを導入し、要素開発の容易さと、全体統合への容易さを実現した。 大気突入時の現象に関しては、強い衝撃波を含む流れに対応するため吹出し・吸込みを含む流れの研究を進め、非定常大規模流れ計算に適用できる世界最先端の乱流モデルの構築を視野に入れた成果を得た。また、高エンタルピー流れに関しては、機体表面と流れの物理的特性、特にアブレーションについて、その効果と高温解離・電離気体の影響を精密に見積もる数値計算法を確立するとともに、極超音速流における逆噴射ジェット及びフィルムクーリングによる空力加熱防護法を開発した。
|
Research Products
(19 results)