2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工環境に対する生理反応の多型性に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
15107005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝浦 哲夫 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (00038986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 安行 千葉大学, 名誉教授 (10009235)
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
垣鍔 直 名城大学, 理工学部, 教授 (30259874)
岩永 光一 埼玉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70160124)
下村 義弘 埼玉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60323432)
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Keywords | 生理人類学 / 生理的多型性 / 人工環境 / 色温度 / 照度 / タイプA行動パターン / 精神ストレス |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下た示す。1.照度と色温度を変えた光環境下で得られた成人男性40名の唾液量,味覚閾値等の生理量と,遺伝的影響を強く受けるタイプA行動パターン,状態特性不安(STAI)の関連を検討した結果,タイプA行動パターンの被験者群では塩味閾値がタイプBのものより低い傾向が認められた。また,唾液分泌量に対する照度の効果はタイプAでは認められなかったのに対して,タイプBでは低照度環境で増加する傾向等が認められた。 2.54名の被験者を低酸素環境下の動脈血酸素飽和度で低酸素に対する耐性が強い群と耐牲が弱い群に分けた。両群を酸素濃度(20.9%と12.8%)に曝露した結果,低酸素耐性の弱い群の方が発汗抑制に伴う蒸発性熱放散が抑制され,.乾性熱放散が促進し,より大きく直腸温が上昇した。 3.昨年に引き続き,若年男性の一卵性と二卵性双生児を対象にcore interthreshold zone(CIZ)を求める実験を行った。一卵性双生児の1組のCIZには差は見られず,もう1組のCIZには差が見られた。一方,二卵性のCIZには差が見られなかった。体型や運動能力に差が見られた双子も確認しているので,彼らに関しては遺伝的依存度が高いと考える。 4.これまでに得られた精神ストレス時の心血管反応について総合的に考察を行い,生理的多型性が存在する可能性を確認した。また,予備実験によって心血管反応と中枢神経系反応との協関が存在する可能性を認め,今後の研究の展開の方向性について考察を行った。 5.スペクトル包絡が異なり基本周波数が同一である男性と女性の合成音声を用いた実験を行った結果,心拍数では合成音声の声質による影響が見られた。また中枢神経系の認知の指標であるN400の潜時と被験者の反応時間からは.声質が文の意味の認知時間に影響する可能性が明らかになった。
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Research Products
(9 results)