2005 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎に対する樹状細胞の機能制御による細胞免疫療法の開発
Project/Area Number |
15109006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紀夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70335355)
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教授 (80372613)
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30362700)
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Keywords | 樹状細胞 / C型肝炎 / IL-10 / Th1 / 免疫 / blood DC |
Research Abstract |
C型肝炎における免疫病態を明らかにするために、末梢血中の樹状細胞の数と機能を直接解析し、HCV感染および肝炎発症との関係について解析を行った。健常者、C型慢性肝炎患者(CHC)、所謂無症候性HCVキャリア(CHC with PNAL)を対象とし、末梢血のミエロイド系DC(MDC)(lineage-、HLA-DR+、CD11c+、CD123+)、形質細胞様DC(PDC)(lineage-、HLA-DR+、CD11c-、CD123++)およびその前駆細胞(lineage-、CD34+、CD123+、CD54RA-)を直接計測した。DCおよびDC前駆細胞の数は、健常者に比しCHCで有意に少なかったが、CHC with PNALと健常者の間には差がみられなかった。HCV感染者のMDCとPDCを健常者と比較するとALT値に関係なく、それぞれIL-12 p70またはIFN-αの産生量が有意に少なかった。ナイーブCD4T細胞との接触時に、健常者に比較してCHCのMDCはナイーブCD4T細胞をIFN-γ産生Th1型細胞に分化させる能力が低いが、一方でMDCおよびPDCはIL-10放出能をもつ調節T細胞をより多くプライミングした。CHC with PNALではCHCに比較してMDCによるTh1型細胞の誘導が抑制されており、PDCによる調節T細胞の誘導が増強されていた。血中DC数は、主に炎症を伴うHCV感染者で減少がみられたが、ALT値が正常な患者でもDCの機能に障害が認められた。CHC with PNALのDCはCD4T細胞応答においてTh1型細胞の抑制と調節T細胞の亢進を誘導する傾向があり、これによってTh1型細胞介在性の肝炎発症が軽減されることが示唆された。
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Research Products
(6 results)