2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たな組織再生因子リジェネリンとしてのCTGFの役割解明と再生医歯工学的応用
Project/Area Number |
15109010
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90221936)
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00158057)
椋代 義樹 岡山大学, 歯学部, 教務員 (50325099)
小守 壽文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00252677)
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Keywords | CTGF / CCN22 / CCNファミリー / リジェネリン / 再生 / 骨 / 軟骨 / 骨髄間葉系幹細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1)骨延長術後の骨再生の際には、肥大軟骨細胞だけでなく、未分化間葉系細胞や幼弱骨芽細胞および軟骨細胞にCTGF/CCN2の発現がみられることが明らかになった。 2)CTGF/CCN2がウサギ骨髄間葉系幹細胞の軟骨細胞への分化だけでなく、骨芽細胞への分化も促進する可能性を示唆する知見を得た。また、再生医歯工学的応用を目的に、ヒト骨髄間葉系幹細胞のハイドロキシアパタイトディスクへの接着がCTGF/CCN2により強力に増強されることが明らかになった。さらに、この接着は抗インテグリンαVβ3抗体で阻害された。なお、TGF-βでは接着促進作用は認められなかった 3)創傷後の組織再生の初発現象である血液凝固に注目し、血小板のCTGF/CCN2含量を調べたところ、大量に含まれており、血液凝固とともに血小板から放出されることが判明した。 4)CTGF/CCN2ノックアウトマウスは生後直後に死亡するが、胎仔を用いて軟骨細胞と骨髄間葉系幹細胞を培養する方法を確立した。また、ヘテロマウス皮膚にスキンパンチで創傷を作ってその治癒経過を観察すると正常マウスに比べて遅い傾向が見られた。 5)CTGF/CCN2の遺伝子発現制御機構として、3'-非翻訳領域のmRNA不安定化配列をそのpoly-A tailから50-100塩基のところに同定し、このcis-elementに結合する40-kDaのタンパク質の存在を明らかにした。このタンパク質はCTGF/CCN2の発現レベルの低い増殖軟骨細胞では多く、CTGF/CCN2が高発現している肥大軟骨細胞では少なく、BMP等で増殖軟骨細胞を肥大化させると減少することから、cis-elementに結合してmRNAを不安定化させるtrans-factorであると考えられる。 6)M-CSFがCTGF/CCN2と協調して関節軟骨細胞の再生に重要な役割を果たしていることを見出した。
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Research Products
(16 results)