2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15200007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘 すすむ 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50236535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 裕之 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (80361541)
関口 大陸 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任助手 (60345121)
川上 直樹 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (20312986)
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 電気刺激 / 蝕原色 / 機械受容器 / マイクロニューログラム / バーチャルリアリティ / オーグメンティドリアリティ / 視触覚融合 |
Research Abstract |
本年度はまずこれまでに申請者らによって提案された経皮電気刺激を用いた電気触覚ディスプレイの最大の問題点であった感覚の安定化のために,皮膚の電気的インピーダンス情報を用いた刺激電流のフィードバック制御を行った.この中で刺激用電極を同時にインピーダンス計測に用いるシステムが完成した. また電気刺激によって受容器が種類別に刺激可能であるとの我々の主張(この種類別刺激を触原色と呼ぶ)を以下の二つの方法で検証した.まず振動知覚を用いた心理実験を行った.60Hz以下の低周波振動感覚を担当する受容器(マイスナー小体)を刺激すると思われる刺激手法をとった場合,60Hz以上の電気刺激パルスを与えても刺激周波数を知覚することが出来ず,60Hz以上の高周波振動感覚に対応する受容器(パチニ小体)を刺激すると思われる刺激手法をとった時初めて60Hz以上の刺激パルス周波数を知覚可能であることが分かった.この事実により,受容器選択的な刺激手法の妥当性が心理実験的に検証された. さらに活動している受容器の種類を,手首から刺入した記録電極を用いた神経活動直接計測によって同定し,我々の仮説どおり,刺激電流の極性(陽極・陰極)を切り替えることによって活動する受容器の種類が変化することを突き止めた. これらの実験を通じて明らかとなった電気刺激の問題点として,低周波振動に対応する受容器(マイスナー小体)は選択的に刺激できるものの,静的な圧力に対応する受容器(メルケル細胞)の選択的な刺激は比較的不安定である点が挙げられた.この問題の解決手法として,電気刺激ではマイスナー小体を,機械的な刺激でメルケル細胞をそれぞれ刺激する相補的な触覚提示手法を考案した.さらに機械的刺激のための高密度形状提示ディスプレイを試作した.アクチュエータとしてコイル状形状記憶合金を採用し,長ストローク,高密度,大面積の3次元形状提示ディスプレイが実現可能であることを示した.
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 梶本, 稲見, 川上, 舘: "電気触角を用いた皮膚感覚のオーグメンティドリアリティ"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. 8・3. 339-348 (2004)
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[Publications] Kajimoto, Inami, Kawakami, Tachi: "SmartTouch : Electric Skin to Touch the Untouchable"IEEE Transaction on Computer Graphics & Applications. Jan-Feb. 36-43 (2004)
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[Publications] Kajimoto, Inami, Kawakami, Tachi: "SmartTouch : A new skin layer to touch the non-touchable"Conference Abstracts and Applications of SIGGRAPH. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] Kajimoto, Kawakami, Tachi: "Psychophysical evaluation of receptor selectivity in electro-tactile display"Proceeding of 13th International Symposium on Measurement and Control in Robotics (ISMCR). 83-86 (2003)
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[Publications] Nakatani, Kajimoto, Sekiguchi, Kawakami, Tachi: "3D Form Display With Shape Memory Alloy"Proceeding of International Conference on Artificial Reality and Telexistence 2003. 179-184 (2003)
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[Publications] 仲谷, 梶本, 鈴木, 舘, 満渕, 國本: "経皮電気刺激提示中における感覚神経活動の解"第16回ニューログラム研究会抄録. 1 (2003)
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[Publications] 仲谷, 内田, 山本, 梶本, 川上, 舘: "形状記憶合金を用いた3次元形状ディスプレイの提案"日本バーチャルリアリティ学会第8回大会論文集. 247-248 (2003)
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[Publications] 高橋, 梶本, 川上, 舘: "電気触覚ディスプレイにおける提示感覚の安定化法"日本バーチャルリアリティ学会第8回大会論文集. 249-252 (2003)
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[Publications] 高橋, 梶本, 川上, 舘: "皮膚感覚提示を目的とした飲用2電極を用いた電気刺激について"計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会. 2B2-2B3 (2003)
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[Publications] 梶本, 稲見, 川上, 舘: "電気刺激を用いた皮膚感覚ARシステムSmartTouchの評価-触覚におけるオーグメンテッドリアリティの研究(第4報)-"計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会. 1H2-1H5 (2003)