2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15200007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘 すすむ 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50236535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 直樹 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (20312986)
関口 大陸 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助手 (60345121)
梶本 裕之 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助手 (80361541)
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 電気刺激 / マトリクス駆動 / バーチャルリアリティ / 仮現運動 / 運動残効 / 選択刺激 |
Research Abstract |
超多点電気刺激による触覚提示実現のための、次の二つの基礎技術を確立した。第一の技術は電気刺激における生起感覚の安定化に関わるものである。皮膚の電気抵抗にインピーダンスマッチングさせた導電ゲルを設計し、そのゲルを電極と皮膚の間に挟むことによって皮膚感覚を安定化させる手法を提案した。この手法によって、皮膚下神経のうち痛覚などの侵害感覚を生じるA-γ、C繊維への刺激を抑制しつつ、機械受容器に接続されたA-β繊維を選択的に刺激可能となる。これを解析的、実験的に検証した。 第二の技術は超多点電極の実装に関するものである。電気刺激ユニットを小型化・標準化することにより、64点を提示できるユニットを作成した。このユニットはデイジーチェーン方式によって原理的にはいくらでもつなげることが出来る。 本ユニット8つを用いて512点電極システムを試作し、額の皮膚への電気刺激を試みた。さらに視覚カメラと組み合わせることによって、視覚障害者のために環境情報を触覚に変換して提示するシステム(FRS:Forehead Retina System)を構築した。盲学校における複数人の被験者によるテストで有効性を検証した。 触覚知覚の解明に関しては前年度に引き続き、視覚において行われる実験手順を触覚に応用することによって、視覚における「運動残効」(Motion After Effect)が触覚においても生じることをより精密に検証した。なおこの現象が触覚では存在しないとの結論がヨーロッパの研究チームにより2002年に報告されているが、これは明瞭な実験手順の誤りから生じたものであることが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)