2005 Fiscal Year Annual Research Report
音楽の認知過程と情動過程:その相互作用に関する文化比較とプロセスモデル構築
Project/Area Number |
15200019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 純一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40091409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 悦子 上野学園大学, 音楽・国際文化学部, 教授 (10219165)
安達 真由美 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30301823)
吉野 巌 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (60312328)
後藤 靖宏 北星学園大学, 文学部, 助教授 (30326532)
岡田 顕宏 札幌国際大学, 人文学部, 助教授 (20337083)
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Keywords | 音楽 / 認知過程 / 情動過程 / 認知モデル化 / 知覚的体制化 / 文化比較 |
Research Abstract |
本研究では、音の流れは心内でどのような処理を経て"音楽"として認知されるのか、また、音楽に対する情動反応はどのように生じるのか、そのメカニズムを明らかにすることを目的としている。具体的には、聴き手が、入力された音列をどのように知覚的に体制化(organize)するのか、そしてその結果としてどのような音列を"音楽"として認知することになるのか、さらには、音楽を聞いて生じる情動的反応はどのような心理次元から構成されるのか、等々の疑問に答えることを目的としている。 本年度は、前年度までの成果を基に、"調性的体制化(tonal organization)"の手がかりがどのようなものであるかをより詳細に明らかにした。具体的には、調の知覚の規定因を探る実験を行い、その結果から、調の知覚の第1規定因は、メロディを構成する音高カテゴリのセットであること、また、メロディが局所的にもつ特定の音程や音高がさらなる規定因となるとする考えは妥当ではないことを実験的に明らかにした(Matsunaga & Abe,2005,2006)。この成果は、従来論争の的であった問題に一応の決着をつけるものであり、国際的にも高い評価を受けた。また、同じく前年度までの研究を発展させ、歌の記憶における言語と音楽の相互作用の有様を探る実験的研究を実行した(Nakada & Abe,2005)。さらには、音楽の認知と感情に関わる脳内機序に関わる研究の理論的基盤を構築した(阿部,2005)。その他、音楽から喚起される感情の性格を把握する実験研究(星野,2005a,2005b,2005c)や、音楽の聴取が他の認知能力に与える影響に関する実験研究(吉野,2005;星野,2006)、等々を実行した。
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