2004 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学を対象とした長期に亙る統合的学習理論の構築
Project/Area Number |
15200020
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
三宅 なほみ 中京大学, 情報科学部, 教授 (00174144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 芳雄 中京大学, 情報科学部, 教授 (80099910)
小笠原 秀美 中京大学, 情報科学部, 助教授 (60204054)
土屋 孝文 中京大学, 情報科学部, 助教授 (10227431)
白水 始 中京大学, 情報科学部, 講師 (60333168)
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Keywords | 協調学習 / 認知科学カリキュラム / ジグシー方式 / 授業並行インタビュー |
Research Abstract |
本研究は、人が新しい分野に挑戦し数年かけて徐々に専門性を身につける積極的な知識構築の過程を明らかにすることを目的とする。学部1,2年生が「認知科学」を協調的に学ぶ過程を対象に、受講生同士の討論や質疑応答を記録し分析することによって学習の経緯を探る。16年度は以下の3点について研究上の進捗があった。 1.1年時には去年よりさらに課題に取り組む時間やグループ討論にかける時間を増やし協調活動を強化した。これにより、去年に引き続き、全体として理解度が深まることが確認された。 2.2年秋期に行う総括的なジグソー方式について今年度から新たに、担当した研究資料の内容を「背景」「テーマ」「調査方法」「結果」「意義」などの構成要素に分けてwiki上に記述しながら内容を確認するサポート・ツールを導入した。その結果、授業終了時には約30%から40%の学生が納得度の高い学習成果をあげていると推定された。この割合は去年より高い。今後この割合をさらに高めるとともに、学生の理解度をより正確に評価する方法を開発する必要がある。 3.去年2年秋期に8名の学生に対して実施した授業並行個別インタビューの言語記録簿を作成し、1名について4回のインタビュー内容を詳細に分析した。インタビューでは、話し合いの内容、新たに分かったことなどについて、質疑を交えて聴取した。分析の結果、予想通りキーワードによるトップダウンな統合過程が認められた。統合初期には日常的な用語がキーワードとして利用されるのに対し、学習が進んでくると授業で扱った研究資料にあった専門用語も積極的に利用されることがわかってきた。 4.今年度より、受講生が互いの理解を他者に説明して確認し合う過程での発話や概念地図などを詳細に記録に取り、データとして利用できるようにした。このデータについては来年度も継続して収集し、より詳しい分析のための手法を開発する予定である。
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Research Products
(12 results)