2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15200031
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北澤 茂 順天堂大学, 医学部, 教授 (00251231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 泰三 順天堂大学, 医学部, 講師 (80155697)
高橋 俊光 順天堂大学, 医学部, 助手 (00250704)
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Keywords | 時間順序判断 / 体性感覚 / 高次機能 / fMRI / ヒト / マウス / c-fos / ラット |
Research Abstract |
我々はこれまでに、両手に加えた刺激の時間順序判断は、腕を交差することにより逆転する傾向があることを示した。この現象は刺激が脳の中で空間内に定位された後にはじめて順序付けられることを示唆する。本年度は次の研究を行った。 1.非侵襲脳活動計測 腕を交差した条件下で、両手の刺激の時間順序判断が逆転した場合と、正解した場合の脳活動を比較した。その結果、正解した際には、角回のシルビウス裂以上の領域に逆転した場合よりも有意に強い活動が生じていることが明らかになった。 2.視覚(動き)刺激が両手刺激時間順序判断に与える効果(心理物理実験) 視覚刺激が片手の3本の指に加えた刺激の時間順序判断に与える効果を調べたところ、視覚刺激の方向と片手3本指の刺激の方向が一致したときに比べ、両者の方向が一致しない場合には平均40%程度の正解率の低下が生じた。この結果は、動きの領野の活動が体性感覚の時間順序判断に影響を及ぼすという仮説が支持された。 3.マウスのimmediate early gene発現領域の解析 昨年度までの研究の成果により、左右の髭刺激の時間順序判断課題を訓練したマウスと、1側の髭だけに2発刺激を与えて刺激側を回答するコントロール課題を訓練したマウスの2群が準備された。これら2群の脳のそれぞれについてc-fosの脳活動と相関して発現する遺伝子の発現を免疫抗体染色法を用いて調べたところ、時間順序判断群では対象群に比較して一次体性感覚野のII-III層におけるc-Fos陽性細胞の割合が有意に高かった。時間順序判断に必要な半球間の情報伝達がbarrel cortexの段階ですでに行われている可能性が示唆された。 4.ラットの実験系の開発と電気生理学的研究 マウスの実験系にならって、ラットに対する時間順序判断課題の訓練を開始した。並行して、ラットに電極の慢性埋め込みを行いワイヤレスで神経活動を記録する技術の開発を行った。
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Research Products
(6 results)