2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバイオメカニクスによる生体組織・細胞の相互作用とリモデリング機構の解析
Project/Area Number |
15200036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紘三郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90026196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00263228)
安田 和則 北海道大学, 医学研究科, 教授 (20166507)
遠山 晴一 北海道大学, 医学研究科, 助教授 (60301884)
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Keywords | 生体組織 / 細胞 / リモデリング / 動脈壁 / 膝蓋腱 / 損傷治癒 / 海面骨 / 皮質骨 |
Research Abstract |
1.動脈壁に及ぼす加齢および血圧・血流量上昇の影響 ラットの総頸動脈壁について調べたところ,加齢および高血圧に伴う壁弾性の上昇はコラーゲンの成熟架橋結合量の増加によってもたらされること,また,加齢および高血圧によって平滑筋細胞が肥厚することがわかった。ラットに高血圧を発症させた後に総頸動脈の血流量を増加させたところ,壁中膜のエラスチンの面積分率が上昇するとともに,平滑筋細胞数が減少すること,また,壁の収縮能が低下する傾向にあることがわかった。 2.力学的負荷が治癒腱の力学的特性に及ぼす影響 家兎膝蓋腱中央部に欠損を作成し,治癒期間中の力学的負荷が治癒再生組織の引張特性に及ぼす影響を調べたところ,除荷は治癒再生組織の強度上昇を抑制して組織の治癒再生に悪影響を及ぼすこと,治癒期間中の再負荷は治癒腱の強度を高めて良い影響をもたらすことがわかった。 3.負荷の変化が海綿骨および皮質骨の形態と力学的特性に及ぼす影響 ラットに15週間の走行運動を行わせた後に,運動を停止してさらに15週間飼育したところ,脛骨海綿骨の強度は低下するものの,同時に脛骨の大きさと海綿骨面積が変化するため,海綿骨全体の構造体としての強度は飼育期間を通してほぼ正常値に維持されることがわかった。また,脛骨骨幹端部の海綿骨および皮質骨の硬さは,運動開始後7週までは上昇して運動停止後3週まで高い値をとるものの,その後は期間とともに低下すること,負荷の変化に対して海綿骨は皮質骨に比べてより迅速に硬さを変化させることがわかった。
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Research Products
(7 results)