2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンジュゲート材料の設計とバイオハザードセンシングへの応用
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15200039
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝田 徹 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 研究員 (30336010)
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Keywords | ナノ粒子 / コロイド / 電気泳動 / DNA / 二重らせん / 遺伝子検査 / 温度応答性高分子 |
Research Abstract |
本研究は,バイオハザードセンシングの精密化・高速化・簡易化を目指して,「遺伝子レベル」でのバイオ検知システムを開発することを目的としている.具体的には,申請者らが独自に開発したDNA集積ナノ粒子が示す遺伝子配列完全応答をその基幹技術として用いる.DNA集積ナノ粒子の塩に対する分散安定性は,相補鎖を添加して粒子表面上で二重鎖を形成させると著しく低下する.これが,DNA集積ナノ粒子が示す遺伝子配列完全応答の根本原理である.これまでの研究の結果,高い再現性を実現するには均一径のナノ粒子を調製することが重要であることが明らかになった.従来使用してきたDNA集積ナノ粒子は,一本鎖DNAをグラフトしたポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm-g-DNA)を相転移させて調製していたが,この方法では分子量分布が広くなり,かつDNA担持量を厳密に規定することはできない.そこで最終年度では昨年度にひきつづき,分子量が高度に制御されたPNIPAAmを付加開裂型連鎖移動剤(RAFT剤)を用いたリビングラジカル重合法によって得たのち,その末端部位に一本鎖DNAをマイケル付加反応により共有結合する合成プロセスを検討した.種々の条件検討の結果,ブロック型コンジュゲート(PNIPAAm-b-DNA)を高純度かつ高収量で得られる合成・精製法を確立するに至った.さらに,ブロック型コンジュゲートが自己組織化により形成するナノ粒子の物性を示差走査熱量分析および動的光散乱法によって評価した.以上のように,構造と物性を規定した次世代のDNA集積ナノ粒子を開発し,バイオハザード遺伝子の高感度センシングを実現するための基盤を確立することに成功した.
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Research Products
(9 results)