2005 Fiscal Year Annual Research Report
歩行支援ロボットを用いた片麻痺患者の歩行訓練と大脳機能賦活に関する臨床的研究
Project/Area Number |
15200044
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20269070)
和田 太 産業医科大学, 医学部, 講師 (10341512)
新小田 幸一 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70335644)
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Keywords | 歩行支援ロボット / 光トポグラフィー / 能動歩行 / 部分介助歩行 / 受動歩行 |
Research Abstract |
平成17年度は以下の研究を実施した。1)歩行支援ロボットの改修:歩行支援ロボットで歩行中、踵接地時に膝が過伸展する傾向にあり,歩行パターンに悪影響を生じないように配慮しながら足部装置を改良した。2)歩行支援ロボットの歩行モードと健常者の脳賦活:健常者7名を歩行支援ロボットで歩行させ、歩行モード(能動歩行、部分介助歩行、受動歩行)の違いによる脳賦活の相違を光トポグラフィーを用いて検討した(NeuroRehalilitation 2006年2月)。被験者が自分の意志で歩行動作を企図する能動歩行と、歩く際にロボットが足の振り出しを補助する部分介助歩行では、運動野周囲を含めた大脳の賦活を認めたが、ロボットの動きに全て委ねる受動歩行では脳賦活は明らかではなかった。歩行支援ロボット訓練では、受動歩行ではなく可能な限り能動的な要素を加えることによって、歩行訓練で大脳を効率的に賦活することができると考えられる。3)歩行支援ロボットの歩行モードと脳卒中患者の脳賦活:脳卒中患者3名に歩行支援ロボットで歩行させ、歩行モード(能動歩行、部分介助歩行、受動歩行)の違いによる脳賦活の相違を光トポグラフィーを用いて検討した(日本脳卒中学会2006年3月)。健常者と同様に能動および部分介助歩行では運動野周囲を含めた大脳の賦活を認めたが、受動歩行では脳賦活は明らかではなく、また、脳卒中患者では脳賦活の範囲は健常者よりもやや狭かった。一方、2)と3)の結果より、足底に圧センサーを取り付けbiofeedback systemを用いて全荷重を意識させながら歩行をさせることは大脳賦活に有利な可能性がある。4)前向き比較研究:重度片麻痺患者を2群に分け、これらの結果に基づき部分介助歩行モードを用いた歩行支援ロボット訓練と通常歩行訓練を行う前向き比較試験を開始した。
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