2006 Fiscal Year Annual Research Report
歩行支援ロボットを用いた片麻痺患者の歩行訓練と大脳機能賦活に関する臨床的研究
Project/Area Number |
15200044
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20269070)
和田 太 産業医科大学, 医学部, 講師 (10341512)
新小田 幸一 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70335644)
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Keywords | 歩行支援ロボット / 光トポグラフィー / 能動歩行 / 部分介助歩行 / 受動歩行 |
Research Abstract |
平成18年度は以下の研究を実施した。1)歩行支援ロボット訓練:脳卒中発症後リハビリ目的でリハビリ科へ転床してきた重度の片麻痺患者(背臥位で患肢を十分に屈曲かつ伸展できない)で発症後3ヶ月未満の者を対象にして、1回20分間、5回/週、合計4週間の歩行支援ロボット訓練を実施した。選択基準に該当する症例は9症例であり、平均年齢65.4±82であった。開始時の下肢麻痺はBrunnstrom Stage IIが4名、IIIが5名であり、4週後はIIが1名、IIIが4名、IVが2名、Vが1名と改善した。10m歩行速度(m/min)は、訓練後52.6m/minとなり、平均13.6m/minの改善を認めた。StrengthErgoを用いた下肢ピークトルク値は患側肢で7.4Nm,健側肢で8.7Nmのピークトルク値の増加を認めた。2)光トポグラフィーを用いた歩行支援ロボットの訓練効果:歩行支援ロボット訓練では自動介助(患者が自ら患肢を動かそうとし、ロボットがその動きを介助する)モードを用い、他動モード(患者は自ら患肢を動かそうとはせずにロボットの動きに委ねる)を比較対照として、片麻痺患者2名(55歳女性:左橋梗塞、63歳男性:左視床出血)に歩行支援ロボット訓練開始前と後の脳賦活パターンの変化を検討した。歩行支援ロボット訓練は1回20分間、5日/週、合計3週間とし、光トポグラフィー装置(日立メディコ、ETG-100)を用いて、安静立位30秒間、ロボット歩行60秒間、安静立位30秒間のパターンで測定した。他動モードでは、訓練前後とも明らかな脳賦活は認めなかった。自動介助モード歩行では訓練前では健側の運動野のみあるいは運動野とその周囲に非対称的な脳賦活パターンが観察されたが、3週間実施後は左右ほぼ対称的に脳賦活されるパターンに変化し、ロボット訓練による脳賦活の過程が明らかとなった。
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