2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動による骨格筋の筋線維分化、および筋代謝機構におよぼす遺伝子発現の検討
Project/Area Number |
15200048
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武政 徹 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (50236501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 隆 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (40110481)
大野 秀樹 杏林大学, 医学部, 教授 (00133819)
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 教授 (80214352)
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Keywords | 骨格筋 / カルシニューリン / 遅筋化 / PGC-1 α / 筋内酸素動態 / 近赤外分光法 / アイソカイネティック / アイソメトリック |
Research Abstract |
カルシニューリン(CaN)はカルシウム/カルモデュリンにより活性化される蛋白質脱リン酸化酵素である。そのターゲットとしては細胞質にあるNFAT等の転写制御因子が知られており、それらのリン酸基をはずすことによってCaNとコンプレックスを形成して核に移行し、MEF2やAP-1と同様に転写活性の調節を行う役割を担っている。これらの転写制御因子が関わる重要なターゲットは筋の遅筋化に関する蛋白質であり、ミオグロビンや遅筋タイプの収縮調節蛋白質の発現レベルを上昇させることが報告されている。 今年度、マウスを用いて、後肢懸垂と再接地を用いてモデル実験を構築し、再接地過程にCaNの阻害剤であるFK506を投与してその効果を検討した。典型的な抗重力筋であるヒラメ筋において、後肢懸垂による筋の萎縮と再接地による回復がしめされ、モデル実験としての妥当性が確認された。再接地過程で投与されたFK506は、筋が元通りの大きさになることを阻害し、サイズの制御にカルシニューリンが効果を及ぼすことが示唆された。また、遅筋化過程の要と考えられているPGC-1 αについて、自発的運動における発現動態を確認した。現在、トレッドミル強制運動における骨格筋内のPGC-1 α発現動態についても検討を行っている。さらに、ヒトを使った実験では、アイソカイネティック運動とアイソメトリック運動中の大腿部外側広筋の筋内酸素動態を、近赤外分光法を用いて比較解析した。また、疲労困憊に至るサイクリング運動とその回復過程における大腿部外側広筋の筋内酸素動態を、近赤外分光法を用いて解析した。
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Research Products
(31 results)