2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15200050
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清永 明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70177955)
千葉 仁志 北海道大学, 医学部附属病院, 教授 (70197622)
庄野 菜穂子 佐賀大学, 医学部, 非常勤講師 (60223674)
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Keywords | 運動 / 骨格筋 / 生活習慣病 / エネルギー代謝 / ミトコンドリア / PGC-1α / 乳酸閾値 |
Research Abstract |
【目的】どのような運動が生活習慣病の予防・治療に最も効果であるのかは明らかでない。本研究は運動強度差による骨格筋適応の差異を、ミトコンドリアの増殖因子であるPGC-1αとミトコンドリア(mt)の量を反映するmtDNAを標的として調査した。【方法】成人男性6名を対象として、自転車エルゴメーターを用いた80%LTと120%LT強度での運動、運動介入無し(Con)の3パターンを無作為に行わせた。対象者特性は、年齢23.2±2.6歳(年齢±標準偏差)、身長173.7±4.0cm、体重63.8±5.0kgである。運動時間は120%LTで60分と、等量のエネルギー消費量になるように80%LTの時間を設定した(88分28秒±2分29秒)。運動は1日1回、5日間とし、2週間の間隔をあけて繰り返した。初回運動終了1時間後と、最終運動翌朝に外側広筋から骨格筋採取を行った。初回運動後の骨格筋はPGC-1αの遺伝子発現、最終運動終了後の骨格筋はmtDNAの分析にそれぞれ用いた。【結果】PGC-1αの遺伝子発現はCon:0.09(0.28-0.03)(中央値と最大・最小値)、80%LT:0.17(0.48-0.03)と120%LT:0.44(4.64-0.12)で、3群間に有意差を認めた。またmtDNAはCon:784±338、80%LT:747±379と120%LT:1090±477(Copies)と、有意差は認められなかったものの、120%LTが最も高い値を示した。本結果は、同一エネルギー消費量でも運動強度により骨格筋の適応に差が生じる可能性を示し、筋の適応を引き起こす運動の強度はLT以上が好ましいことを示唆した。 また前年度行った包括的遺伝子発現解析の研究を論文投稿し、更に網羅的タンパク発現解析を行いLT:25種、OBLA:19種と高齢者LT:16種のタンパク発現が変化することを明らかにした。
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