2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の自立を目指す地域生活システム構築への生活科学的研究-環境適応能に着目して
Project/Area Number |
15200052
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮野 道雄 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (00183640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 直樹 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40159025)
曾根 良昭 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60145802)
小西 洋太郎 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70116812)
岡田 進一 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教授 (20291601)
要田 洋江 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教授 (90117987)
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Keywords | 高齢者 / 自立 / 地域生活 / 支援システム / 生活科学 / 健康 / 環境 / 福祉 |
Research Abstract |
本研究では研究組織全体を健康・環境・福祉の3グループに分け、それらの研究を統合することにより、高齢者の自立を実現するための地域支援システムのあり方を平成15年からの4年計画で検討してきた。以下に最終年度の研究実績について、その概要を述べる。まず、健康系では高齢者の免疫機能と栄養状態の関係を基礎的に探るモデルとして、線虫にプロバイオティクスとしての機能が期待されている各種乳酸菌を給餌したところ、明瞭な寿命延長効果と生体防御機能の賦活効果が認められた。乳酸菌の作用機序を探るため、線虫の各種変異株を用いて乳酸菌の効果を検証したところ、乳酸菌はTOLL-Like reporterからp38MARK経路を介して生体防御を賦活している可能性が示唆された。つぎに環境系では、高齢者の視覚特性、順応を考慮した屋外の安全な光環境の必要要件に関して、引き続き地震時の避難を想定した歩行実験を行った。また、照明学会全国大会特別シンポジウム「明るいまちづくりを目指した防犯照明」において生活安全における環境整備では高齢者の特性に対応することと、日常の防犯だけでなく非常時にも対応できる性能を具備することの重要性について報告した。さらに、津波による緊急避難時の屋外照明に求められる諸用件について、南海地震・東南海地震防災対策推進地域の自治体担当者のヒアリングを行い、実用化に向けた屋外誘導標識の視認特性の検討を行った。最後に福祉系では、最終年度として大都市高齢者の社会活動の実態を把握し、今後の課題を整理することとした。その結果、大都市高齢者は外出する機会が減り、閉じこもりを引き起こしやすい環境にあることが明らかとなった。また、地域におけるサポート・ネットワークも脆弱であるため、既存の社会資源を活用した地域力強化を行うか、NPOなどの活動を促進し地域ネットワークを再構築することなどが求められる。
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Research Products
(6 results)