2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性大気でのOH,HO2,RO2ラジカル・前駆体総合観測-ヨウ素化学とDMS-
Project/Area Number |
15201004
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶井 克純 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (40211156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俊吾 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (20381452)
金谷 有剛 海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (60344305)
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Keywords | HOxラジカル / レーザー誘起蛍光 / PTR-MS分析装置 / 太陽放射強度 / 光化学平衡 / 化学増幅LIF検出 |
Research Abstract |
清浄な海洋大気と都市汚染大気をサンプリングできると期待される伊豆大島において平成16年6月に大気の集中観測を行った。観測項目は、レーザー誘起蛍光(LIF)法によるN2O5およびNO3ラジカル濃度測定太陽放射強度、陽子移動反応型炭化水素濃度分析装置(PTR-MS)による揮発性有機化合物(VOC)の高速サンプリング、キャニスターサンプリング/GC-MSによるDMSおよびその他のハロカーボン、オゾンおよび一酸化炭素の測定を一ヶ月にわたり行った。 NO3ラジカルはNO2とオゾンの反応により大気中で生成するが、NOとの反応性が高いため局所的な発生源の近傍ではNO2に変換される。また、日中は可視光により容易に光分解するため、夜間であり、NO2およびオゾンの比較的高濃度となる場所でのみNO3が期待されるので伊豆大島での観測が行われた。夜間に数日間は関東平野から汚染大気の流入があり、そのような場合はNOxに加えてN2O5も観測された。東アジアにおける海洋性大気で初めてのN2O5濃度観測となった。NO3については約10pptvと極めて低濃度であるが観測された。夜間のDMS濃度は数100pptvであり、NO3ラジカルによる変調は観測されなかった。気象データ解析から、光化学平衡の成り立つ場合の風向きは西側の海風の場合であり、成り立たない場合は東側の陸風であることが明らかとなり、現在なぜ風向きにより変化するかについての検討を行っている。
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Research Products
(6 results)