2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現プロファイリングを用いた土壌汚染評価系の確立に関する研究
Project/Area Number |
15201007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 弘美 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (30326491)
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40131916)
篠原 亮太 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40316188)
武政 剛弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039684)
富永 伸明 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30227631)
|
Keywords | 線虫マイクロアレイ / 酵母マイクロアレイ / 金属影響 / 土壌汚染評価 / バイオアッセイ / カスタムチップ |
Research Abstract |
本研究では、土壌中に含まれる有害化学物質を網羅的に評価するため、線虫・酵母を用いた曝露実験を行い、DNAマイクロアレイチップにより発現される遺伝子をプロファイリングし、土壌汚染評価に特化した評価系の確立を目的としている。 本年度は、土壌汚染物質の一つである金属類(AlCl_3、NiCl_2、CuCl_2、CrO_3)が線虫に及ぼす影響を致死・成長・成熟・繁殖を指標として検討した。全ての金属において、致死・成長・成熟への影響が確認された。特に、CuCl_2は高い致死毒性を有し、低濃度で成長・成熟の遅延、産仔数の減少を示した。しかし、AlCl_3、NiCl_2は他の金属に比べ致死毒性は低いにも関わらず、極めて低濃度で成長・成熟を遅延した。これらのことから、金属が線虫に及ぼす影響は、各種金属により作用濃度及び作用点が大きく異なることが明らかとなった。線虫のチトクロームP450(CYP)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、ABCトランスポーター、ビテロジェニン遺伝子群をスポットしたカスタムチップを作製した。現在、本カスタムチップを用いて、それらの金属類を対象としたDNAマイクロアレイ解析を行い、発現変動を受ける遺伝子群を網羅的に検索している。 出芽酵母のほぼ全遺伝子群約6000個のORFを貼り付けた市販のDNAチップを用いて、出芽酵母をNiCl_2曝露した時に発現応答する遺伝子群を網羅的に解析した。結果、100前後の遺伝子群の発言誘導あるいは抑制がみられ、薬剤排出ポンプ、メタロチオネインなどの誘導が見られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] N.Tominaga, K.Ura, M.Kawakami, T.Kawaguchi, S.Kohra, Y.Mitsui, T.Iguchi, K.Arizono: "Caenorhabditis elegans responses to specific steroid hormones"Journal of Health Science. 49・1. 28-33 (2003)
-
[Publications] N.Tominaga, S.Kohra, T.Iguchi, K.Arizono: "A Multi-Generation Sublethal Assay of Phenols Using the Nematode Caenorhabditis elegans"Journal of Health Science. 49・6. 459-463 (2003)
-
[Publications] N.Tominaga, M.Kunimoto, T.Kai, K.Arizono, S.Kohra: "A Convenient Assay for Evaluating Chemical Toxicity Using Caenorhabditis elegans as a Model Organism -Application to Alkylphenol Toxicity Test-"Environmental Science. 10・3. 215-221 (2003)
-
[Publications] H.Shimada, N.Tominaga, S.Kohra, H.Ishibashi, Y.Mitsui, K.Ura, K.Arizono: "Metallothionein gene expression in the larvae of Caenorhabditis elegans is a potential biomarker for cadmium and mercury"Trace Elements and Electrolytes. 20・4. 240-243 (2003)