2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15201009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 真由美 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (50332474)
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Keywords | 野生動物 / シトクロムP450 / 環境汚染物質 / ドブネズミ / マイクロアレイ / arylhydrocarbon receptor / 核内受容体 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
我々は、これまで、様々な階層の野生生物を採集し、生体に蓄積する環境汚染物質やその生体影響について調査・研究を行ってきた。当該研究ではより簡便に広範囲の野生生物に対応する次世代環境影響評価システムを開発することを目的とし、今年度は以下の研究結果を得た。 1.DNA、ペプチド、抗体および生体機能を利用した生体影響スクリーニング用アレイ開発と解析: 受容体への環境化学物質の結合および受容体活性化を利用したスクリーニングの為に、環境汚染物質の中でも発がん性を持つ化学物質の受容体となるAhR(arylhydrocarbon receptor)と生体内の各核内受容体のクロストークを検討した。 2.in vivo代謝・クリアランスを考慮したバイオアッセイ系の開発: 野生生物に蓄積する環境汚染物質やそのリスクを評価・推算する際に問題の一つとなるのはその生物特有の代謝活性やクリアランスである。そこで、馬や鹿、クマ、キツネ、ミンク、イヌなど各種動物を採集し、肝臓における外来異物の代謝活性の測定やクローニングを行い、各々の環境汚染物質の代謝・クリアランス、酵素学的特徴について調べた。 3.野生げっ歯類を用いた環境汚染モニタリングと生体影響評価: ドブネズミ(Rattus norvegicus)はヒトの生活に密接した生活環境を持っており、陸生野生動物としてだけではなく、ヒトの環境化学物質への曝露のモデルにもなると考えられる。そこで、ドブネズミを日本各地域(都市近郊)から採集し、肝臓に蓄積する環境化学物質について分析を行った。人の放出する環境汚染の影響の少ない棲息圏として国内無人島からも採集を行った。同時に肝臓や精巣への影響などについて、マイクロアレイを用いて発現遺伝子の変動についてgenomics解析を行った。
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Research Products
(6 results)