2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15201009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 正一 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (10143314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 真由美 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (50332474)
坂本 健太郎 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助手 (80374627)
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Keywords | シトクロムP450 / マイクロアレイ / 野生動物 / ステロイドホルモン / 環境汚染 / 核内受容体 / ダイオキシン受容体 |
Research Abstract |
DNAマイクロアレイは多くの遺伝子変動を短時間でスクリーニングできる有効なツールである。しかし、塩基配列の違いから幅広い生物種間に応用することは極めて難しく、この手技を様々な階層の野生生物に用いる為には、各々の生物特有のアレイの開発が必要である。そこで、より簡便に広範囲の野生生物に対応する次世代環境影響評価システムを開発することを目的として基礎的研究を行った。本年度は、下記3つの研究について計画をし、成果を得た。 1)野生げっ歯類を用いた環境汚染モニタリングと生体影響評価:モデル動物として、ドブネズミに蓄積する環境汚染物質の分析と、肝臓及び精巣に発現する遺伝子を網羅的に解析した。マイクロアレイ法を用いて得られた結果に、分子間のネットワークによって結びつく遺伝子を解析したところ、高濃度汚染の個体では特にステロイド生合成系の遺伝子ネットワークが損傷していることが明らかとなった。 2)受容体リガンド結合ドメインや汚染物質結合蛋白を利用した生体影響解析方法の開発:ホルモンや汚染物質のセンサーとして、AhR、PPAR、PXR、CAR、FXR、LXRなどの外来異物・生理活性物質受容体のリガンド結合ドメインを利用するために、これら受容体のinteractionについて明らかにした。特に、平面構造を有する汚染物質の受容体となるAhRは、PPAR、CARそしてFXRの機能についてネガティブクロストークを起こすことが分かった。 3)代謝・クリアランスを考慮したバイオアッセイ系の開発:野生生物に摂取された環境汚染物質の残留レベルやリスクを評価・推算する際に問題の一つとなるのはその生物特有の代謝活性やクリアランスである。そこで、長鼻目や霊長目、偶蹄目、食肉目、有袋目など、様々な各生物層の代表的から肝臓あるいは血液を採取し、異物代謝に主に関与する代謝酵素やその発現調節因子をクローニングした。
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