2004 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質のヒト胎盤ホルモン産生系への影響を考慮した内分泌撹乱作用の検討
Project/Area Number |
15201012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 慶一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90068247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 剛 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50303988)
伊藤 徳夫 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (60176352)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / 胎盤 / エストロジェン / ステロイドホルモン合成 / 発生毒性 / 種差 |
Research Abstract |
本研究では、内分泌撹乱物質の標的臓器として胎盤に注目し、内分泌撹乱物質によってどのような胎盤機能が変化した場合に、いかなる胎児への影響が及ぶのかを加in vitroおよびin vivo双方について検討を行うことで、そのin vitroの結果から発生毒性の予測が可能な評価系の構築を最終目標としている。本年度は、1)内分泌撹乱物質の妊娠動物における胎盤移行性の検討、2)有機スズ化合物などの内分泌撹乱物質のin vivoにおける胎盤ホルモン産生系および代謝酵素系に与える影響についての検討、3)さらに胎盤機能の変動による胎児への影響をin vivoで検討するために胎盤特異的な遺伝子発現系の構築、について検討を行った。その結果、1)については、[^3H]-ジエチルスチルベステロールおよび有機スズ化合物である[^<14>C]-トリフェニルスズが、妊娠マウスの胎盤や胎児に移行することを明らかにした。また2)については、トリブチルスズを投与した妊娠マウスの胎盤においては、昨年度に行ったin vitroにおける検討結果を反映して、3β-hydroxysteroid dehydrogenase type IのmRNA発現量が上昇していた。さらに3)については、胎盤特異的にアロマターゼ遺伝子を発現するトランスジェニックマウスの作成を行うとともに、RGDファイバーミュータントアデノウイルスベクターを用いることで、胎盤指向性を有した遺伝子導入系による内分泌撹乱モデルの作成が可能であることが示唆された。
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