2003 Fiscal Year Annual Research Report
アップグレードカスケードリサイクルを促進する高圧熱水反応の機能解析とシステム評価
Project/Area Number |
15201017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60335106)
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50303706)
辻 秀人 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60227395)
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Keywords | 高圧熱水反応 / 再資源化 / アップグレードカスケードリサイクル / 物質循環ネットワーク / アミノ酸 / ポリ乳酸 / 亜臨界・超臨界水 / タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、高圧熱水反応の再資源化技術としての可能性評価と、この目的での今後の研究の方向性を明示することを目的として、既往の関連情報の集積と整理・解析、可能性の高い分野での一層の技術の発展をめざした研究開発を行なう。研究期間終了までに、再資源化を目的とした高圧熱水反応に関する情報データベースの構築、実用化が見込まれる分野の検索と実用化の要素となる技術の研究開発、地域あるいは産業間物質ネットワークへの組込み、特に生成物の付加価値を一層向上するアップグレードを伴うカスケードリサイクルの可能性評価に関する成果を提示することを目標としており、主に、○高圧熱水の特性に基づく有機物の反応機構等の実験研究と関連情報を付加した特性評価、○実用反応装置の操作設計のため知見集積、○物質循環プロセスへ導入のための評価である。 今年度は、高圧熱水反応による(1)タンパク質系を中心とした未利用物質の分解とアミノ酸の生成、(2)ポリ-L-乳酸の分解によるL-乳酸の高収率回収のための最適反応条件を検討した。(3)物質循環ネットワーク設計のための物質フローおよび再資源化技術情報の集積にあたった。 具体的な研究実績を下記に示す。 (1)タンパク質系未利用物質に加えて様々なモデル物質を取り上げ、温度、圧力、反応時間、pH、添加物(実際の再資源化過程で共存が予想される物質)を変化して、生成物質、生成収率、反応速度等を測定し、水熱条件下における反応の経路および反応速度に対する影響因子を明らかにした。 (2)ポリ-L-乳酸のアップグレードリサイクルを実現するためには、D-乳酸の生成を抑制しながら高い収率でL-乳酸を生成する必要があり、さらに、省エネルギー化の実現を兼ねて出来るだけマイルドな条件でL-乳酸を高収率で生成できる反応条件を検討した。 (3)既存の再資源化技術の関連情報を集積し、データベース化した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hideto Tsuji, Hiroyuki Daimon, Koichi Fujie: "A New Strategy for Poly(L-lactic acid) Recycling : Hydrolysis in the Melt"Biomacromolecules. 4・8. 835-840 (2003)
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[Publications] Hideto Tsuji, Ippei Fukui, Hiroyuki Daimon, Koichi Fujie: "Lactide formation by thermal depolymerisation of poly(L-lactide) in a closed system"Polymer Degradation and Stability. 81. 501-509 (2003)
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[Publications] 藤田昌史, Kim Kyoungrean, 大門裕之, 藤江幸一: "高温高圧水反応による余剰汚泥可溶化処理液の生物学的リン除去の炭素源としての有効性評価"環境工学研究論文集. 40. 23-28 (2003)
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[Publications] 藤田昌史, Kyoungrean Kim, 大門裕之, 藤江幸一: "高温高圧水処理による植物性タンパク含有廃水の生物分解性の向上"化学工学論文集. 30・1. 1-4 (2004)
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[Publications] Armando T.Quitain, Nobuaki Sato, Hiroyuki Daimon, Koichi Fuji: "Useful Organic Compounds Derived by Hydrothermal Treatment of HINOKI (Chamaecyparis obutusa) Bark"Journal of Agricultural and Food Chemistry. (in press).
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[Publications] Kyoungrean Kim, Masafumi Fujita, Hiroyuki Daimon, Koichi Fujie: "Application of Hydrothermal Reaction to Biodegradability Improvement of RefractoryPollutants : Structural Conversion of Di- and Trichloroacetic Acid to Biodegradable Products"Journal of Water and Environment Technology. (in press).