2003 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡による原子分子の力学的操作とナノ構造構築
Project/Area Number |
15201020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 康弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40206404)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / 原子分子操作 / 力学的操作 / 微細組み立て / ナノ構造 / ナノ物質 / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
まず、原子間力顕微鏡を用いた力学的な原子分子操作を再現性よく行えるように、先鋭な顕微鏡探針(シリコン製)と極低温原子間力顕微鏡の高感度化・高速応答化を実現した。次に、垂直方向の原子操作の機構と制御条件を解明した。具体的には以下のようになる。 1)原子分解能観察・原子分子操作に最適な先鋭な顕微鏡探針の実現 原子分子操作を行うためには、まず原子分解能で安定に画像を取得することが前提条件となり、原子レベルで清浄で先鋭な探針を使用することが必要不可欠である。これは、原子分子操作の再現性を向上させるためにも重要である。そこで、現有の極低温原子間力顕微鏡に探針制御装置を付加し、原子分子操作に最適な先鋭な顕微鏡探針を実現した。 2)原子分子操作のための極低温原子間力顕微鏡(現有)の高感度化・高速応答化 力学的な原子分子操作を再現性よく行うためには、探針先端と試料表面との間に働く力を超精密に制御する必要がある。そのためには、探針に働く微弱な力を高感度かつ高速に測定することが重要になる。そこで、周波数変調(FM)検出法で用いられている現有の周波数復調回路に、水晶振動子を用いた位相回路を導入することにより、高感度(検出感度0.01Hz)・高速(帯域幅100KHz)な周波数検出を実現した。 3)垂直方向の原子操作の機構と制御条件の検討 表面の原子を引き抜いたり、付与させたりといった垂直方向の原子操作について、探針の振動振幅や探針・試料間距離、温度などを変化させて系統的に調べ、その機構と制御条件を検討した。なお、そのための試料としては、垂直方向の原子操作に成功しているシリコン表面やゲルマニウム表面を取り上げた。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] R.Nishi at al.: "Atom Selective Imaging by NC-AFM : Case of Oxygen Adsorbed on a Si(111)7×7 Surface"Appl.Surf.Sci.. 210・1-2. 90-92 (2003)
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[Publications] K.Okamoto et al.: "KPFM Imaging of Si(111)5【square root】3x5【square root】3-Sb Surface for Atom Distinction Using NC-AFM"Appl.Surf.Sci.. 210・1-2. 128-133 (2003)
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[Publications] N.Oyabu et al.: "Mechanical Vertical Manipulation of Selected Single Atoms by Soft Nanoindentation Using Near Contact Atomic Force Microscopy"Phys.Rev.Lett.. 90・17. 176102-1-176102-4 (2003)
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[Publications] K.Okamoto et al.: "The Imaging Mechanism of the Atomic-Scale Kelvin Probe Force Microscopy and Its Application to Atomic-Scale Force Mapping"Jpn.J.Appl.Phys.. 41・11. 7163-7168 (2003)
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[Publications] S.Morita, Y.Sugawara: "Noncontact Atomic Force Microscopy on Semiconductor Surfaces"Surface and Interface Analysis. (In press). (2004)
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[Publications] 菅原康弘: "原子間力近接場光学顕微鏡によるニア原子分解能の達成"精密工学会誌. 69・2. 154-157 (2003)
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[Publications] 菅原康弘: "STMおよびAFM、原理と応用"電子顕微鏡. 38・1. 13-18 (2003)
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[Publications] 森田清三他: "原子間力顕微鏡を使った電荷の原子レベル観察"静電気学会誌. 27・2. 64-68 (2003)
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[Publications] 菅原康弘, 清野宜秀: "原子間力近接場光学顕微鏡によるニア原子分解能の達成"応用物理. 72・8. 1020-1026 (2003)
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[Publications] 菅原康弘: "イオン工学ハンドブック"イオン工学研究所. 4 (2003)
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[Publications] 菅原康弘: "ナノテクノロジーハンドブック"オーム社. 4 (2003)
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[Publications] Y.Sugawara, S.Morita: "Springer Handbook of Nanotechnology"Springer. 7 (2004)