2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15201023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 昌和 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20343147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳明 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60345105)
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Keywords | シリコン / 鉄 / シリサイド / ナノドット / 超格子 |
Research Abstract |
我々は、Si基板表面の第1層が酸化した極薄Si酸化膜を形成し、その表面にSiやGeを真空蒸着すると、大きさが5nm程度で、面密度が10^<12>cm^<-2>以上のSiやGeの単結晶ナノドットが成長することを見出した。本研究においては、このナノドット成長技術を基礎にして、Si、Geのナノドット超格子、直接遷移型の半導体である鉄シリサイドのナノドット超格子を作成する技術、及びナノドット超格子の光・電子物性を評価する技術の開発を行う。以上の研究計画に基づき、本年度は、以下に示す結果を得た。 鉄シリサイド(β-FeSi_2)は、歪みにより発光効率の大きい直接遷移型半導体になるSi系物質として注目されている。本年度は、超高密度の鉄シリサイドのナノドットを作成することを目的として、2つの方法を試みた。(1)Si基板表面に形成した極薄Si酸化膜上にSiを蒸着し、Siナノドットを作成した。このSiナノドット表面に試料を加熱しながらFeを蒸着し、基板とエピタキシャル関係にある単結晶の鉄シリサイドのナノドットを作成した。また、(2)極薄Si酸化膜を形成した基板Si表面に、試料を加熱しながらSiとFeを同時蒸着する方法によっても、鉄シリサイドのナノドットを作成した。(1)の方法では、大きさが10nm程度の鉄シリサイドのナノドットを作成できたが、鉄を蒸着する過程で形状が崩れ、5nm以下の大きさのナノドットを作成することができなかった。一方、(2)の方法では、SiとFeを同時に蒸着するために形状が崩れることなく、大きさが5nm程度の鉄シリサイドナノドットを作成できた。 さらに、この上にSi薄膜を成長してナノドットを埋込み、このSi薄膜表面を酸化して極薄Si酸化膜を形成した表面に、(2)の方法により鉄シリサイドのナノドットを作成した。この過程を繰返すことにより、鉄シリサイドのナノドットの超格子を作成した。この超格子から、0.9eV付近にピークを持つフォトルミネッセンススペクトルを得た。
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Research Products
(1 results)